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story.18 ページ19




日本……………

『氷上の花が現る!』

『期待の新星、オリンピック金メダル候補!』

『銀盤の天使 トリプルアクセル決めた』



「花とか天使とか… 言い過ぎでしょ。」

「そんなことないわよ。」




グランプリシリーズクロアチア大会。
三浦さんはジュニア歴代最高記録を更新して、金メダルを獲得した。

日本だけにとどまらず、世界中が三浦さんに注目した。


「それに比べて宇野くんのニュースは少ないわね。あんまり注目されてないんじゃないの?」




三浦さんは優勝しても相変わらずの性格だ。
優しいのかもしれないけど、口が悪いのを直すべきだと思う。


「フリー終わったときはかっこよかったのに。」

「何か言った?」

「別に〜?」


大会以来、三浦さんとの会話が増えたような気がする。僕だけかもしれないけど。
三浦さんは馴れれば結構しゃべるらしい。


「そういえば、宇野くんなんであのとき私の名前呼んだの。」

「あのときって?」


「クロアチア大会の6分間練習のとき。」

そうだ、6分間練習のときに三浦さんを応援しようと「Aーっ! がんばれーっ!」 って叫んだんだった。


「ああ、応援しにきて三浦さんって呼ぶの変だったから?」


「ふーん、そうなんだ。」

今少しだけ嘘をついた。
名前呼んだのは本当は無意識。気づいたら名前を呼んで応援していた。

よし、ちょっとからかってみよう。


「名前で呼んでほしいんですか〜?」


「うん。」

「そっかー、じゃあこれから呼んであげるー









ってえ!?」



今、うんって言ったよね。
ちょっとからかうつもりだったのに!

僕が一人で戸惑っていると、

「私をからかおうなんて百年早いのよ。」
と言った。





「まあ、名前で呼んでもらった方が嬉しいのは本当だけど。」


「何で?」

とっさにそう聞いてしまった。




……………だめだ。

三浦さんは時々見せる苦しそうな表情になった。



「親が離婚したから苗字は嫌いなの。」




「そう、なんだ」

「そういうことだから。」


三浦さんはそう言うと表情を柔らかくした。

こういうとき、僕は三浦さんのために何ができるんだろう。






「名前で呼んでほしい、かも。」

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美紀 - 羽生選手と宇野選手のファンなのでこの小説最高です更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年2月22日 20時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙耶 x他2人 | 作成日時:2016年3月21日 17時

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