こちらＡＲＳ探偵事務所 (ページ29)

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『5』ページ29

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あれから彼女と別れてから俺は全力疾走して

彼女の家へと走った

(え、どうして奢れたかって？それはここに来る時に

お金を持ってきてたからね)

ついてみると案の定まだ帰ってなかった

それから子狐の姿になり彼女を待った

しばらくすると彼女は無事に帰ってきてホッとした

(あのまま送ってやりたかったけどそんな事したら

帰るの間に合わなくて子狐の俺がいないことがバレるからな)

彼女の作った夕食を食べ終えたあと

そんな事を思っていると

「ねぇ翔ちゃん聞いて今日ね

とってもカッコイイ人にあったんだよ」

『クーン？(え、そうなの？)』

「私が怖い人に連れていかれる時に

かっこよく現れて助けてくれたんだぁ

それに気を使ってお茶にでもって誘ってくれたの

紳士だなって思わない？

名前はね櫻井さんっていうんだって」

『キュ！？(ってそれもしかして俺の事！？)』

それから彼女は俺の事を褒めてくれたけど

だんだん恥ずかしくなってきてクッションに顔をうずめた

「あれ？どうしたの翔ちゃん」

『クーン･･･

(いや･･･そんなに褒められた事ないから恥ずかしくて)』

と彼女に届かない言い訳をした

その日の夜今日もあいつが来るんじゃないかと

警戒しながら彼女の部屋で寝ていた

彼女が寝静まってしばらくすると

(きた･･･)

今度はハッキリと妖気だとわかった

(やっぱり妖怪だったか)

俺は彼女の腕からそっと抜け出しリビングに行くと

案の定あいつがいてこちらをみて笑っている

〔よぉやっぱりお前のしわざか狐

ここにおびき寄せた霊どもを追い出したのは

お前なにもんだ？ただの喋れるだけの狐じゃねえだろ〕

今のこの姿の時には俺は妖力を全て隠しているから

ほとんどの相手に九尾だとバレない

『その問には答えられないね

まぁ霊を追い出したのは俺だけどな

てかやっぱり霊の事はお前のしわざなんだな

そういうお前こそ何もんだ

彼女の家でやったこともお前がしてたのか？』

〔ちっ質問を質問で返しやがって･･･

そうだよ俺がやったんだよ

あいつの魂美味そうだったから欲しくてな

手に入れるために色々やったよ

でも数日目をはなしたらお前がいてあの時邪魔された

鬱陶しいたらありゃしねぇ

それとお前が正体あかさねぇのなら俺も言わねぇよ〕

(こいつ･･･彼女の魂が狙いだったのか)