たとえばあなたが (ページ10)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:19,872 hit

9 ページ10

深澤side

昨日オフで病院に行き、処方された薬を飲んだら熱も下がった。

今日は仕事の後打ち上げで居酒屋に。

楽しくて調子に乗って飲みすぎたらしい。

トイレに行ったはいいけど気持ち悪くて戻れない。

今日はメンバーは翔太しかいないし、ほかの人に迷惑をかけるわけにもいかない。

少し座って落ち着いたら動こうと思ってた。

『大丈夫ですか？店員さん呼びましょうか。』

女の人の声。

気づかれたらまずいと素っ気なく大丈夫だと返す。

あれ？この声聞いたことある。

私服だからわかりずらいけど、昨日の看護師さんだ。
俺は一応アイドルだ。

声をかけたいと思ったが、気持ち悪いのもあって諦める。

5分ほど立つと少し落ち着き席に戻る。

渡「大丈夫か？長いトイレだったな。体調悪いんだろ？」

深「いや、もう大丈夫。でももうそろそろ終わるだろ。」

渡「まぁ、そうだな。顔色は今悪くなさそうだし。無理はすんなよ。」

翔太は意外と優しい。

打ち上げも終わり出口の方へみんな出ていく。

そんな中でもずっと気になってた。

あの人はまだいるのかな？

声かけてくれたのに、そっけなかった。

こんなこと気にするのは自分らしくないと思いながら翔太と会計のほうに向かう。

会計の方を見ると、あの人。

パッチリした目と俺の目が合う。

声なんてかけないほうがいい。

でも、なぜかこのまま終わりというのもなぜか嫌だと思った。

知らないうちにその人に声をかけていた。

俺らのことあんまり知らないのか。

まだ頑張らないとな。

その人と話し終わり、名残惜しい気持ちになったが蓋をする。