たとえばあなたが (ページ8)

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扉を開けると男子トイレの目の前に男の人が
座り込んでいる。

真っ赤な顔でうずくまっている男の人。

マスクをしていて顔はよく見えないけど、、、

あれ、この人…

どこかで見たことあるな。

あ！昨日の外来に来てた人？

体調悪いのに飲みに来たのかな？

職業柄ほっておけず、声をかける。

「大丈夫ですか？店員さん呼びましょうか。」

すると男性がこちらを向いて
深「いや、大丈夫です。気にしなくていいです。」
と言われた。

余計なお世話だったかと思い、
『そうですか、すみません』
といい席に戻る。

簡単に声をかけるのもよくないな。なんて

1人で考える。

顔はよく見えないがイケメンさんだ。きっと。

病院だけじゃなくてどこかで見たことがある。

まぁ、余計な詮索はしちゃだめだ。

仕事が第一といいながらイケメンが気になる自分が嫌になった。

席に戻るとりかが

「なんかささっき通った店員さん達が有名人来てるってコソコソしてた。ちょっと聞こえちゃった笑
誰だろうー」

『そうなの？まぁその人たちもさ、プライベートだろうからそっとしてあげようよ笑』

「そんなこと言って笑
イケメンすきじゃん！笑」

『そりゃ気になるけどさ、だめだよ！
あ、そういえばトイレの前に座り込んでるイケメンぽい人いてさ、声かけたら大丈夫ですって結構強めに言われちゃった笑』

「それ、ナンパだと思われたんじゃない？しかも、イケメンなら有名人とか？一般人に声かけられるのなんて避けたいだろうし。こんなとこでバレたくないしね」

りかの言葉にそうかもと納得して

今回はお開きとなった。