たとえばあなたが (ページ30)

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深「ほら、なんか言うことあったじゃん。
　鍵閉まる音しなかったからさ笑」

ドアを開けると深澤さんがしゃがんでいた。

アイドルなのに

こんなところで

私が出てくるのを待ってた。

私はこの人が好きだ。

何を考えてるかわからないけど

私はこと人が好き

深「ほら、なに？
　お兄さん帰っちゃうよ笑」

『また、会えますか？』

深「会えるよ。
　Aちゃんが会いたいなら」

フワッと笑って頭を撫でられる

『よかった、、言えた。』

深「どんだけ時間かかってんの笑」

深「また、連絡する。」

この人は今までの人とは違うかもしれない

ずるいけど

優しい人

たとえばこの人が

私を愛してくれる人なら

願ってもないことだ。

深澤さんは

手を振って今度こそ帰って行った。

『緊張したー。』

つい声が出る。

昼間に会った元彼のことなんて忘れるくらい

深澤さんのことで頭がいっぱいだった。

でも、相手は芸能人。

きっと女の人に慣れてるし

きっと相手なんてたくさんいる。

でも信じたかった。

優しい笑顔を、、、