好みのタイプ ページ4
「で、具体的にはどうするの?」
慶ちゃんの一言に、全員が考え込んだ。
「増田先生の好みのタイプ、知ってる?」
「知らない知らない。」
シゲの質問に、手越が真っ先に答える。
「あ!部活として認められるためにたま〜に出してる新聞あるじゃん?
あれに、まっすーがこの学校に赴任してきたときにしたインタビュー記事が載ってるんじゃない?」
慶ちゃんが、途端に嬉しそうになる。
「ああ、新しく来た先生にインタビューするのって、記事を作るの楽だもんね。
シゲ、バックナンバーにある?」
「ちょっと待て。ああ、これだ。」
シゲが出してくれた、まっすーのインタビュー記事が載っている新聞を、みんなで覗きこんだ。
「まんま好みのタイプ聞いてんじゃん。
あ、インタビューした人が手越だからか。」
「てっぱんの質問でしょ?
こうして役に立ってる訳だし。」
妙に納得するシゲに、手越が返す。
「で、好みなんだって?」
シゲに尋ねると、インタビューの回答をそのまま読み上げてくれた。
「自分自身、食べることが好きなので、美味しそうにいっぱい食べる子がいいなと思います。
それと、目上の人には敬語を使うなど、最低限の礼儀はしっかりしている子がいいです。」
「どう?いけそう?」
手越が期待を込めた目で見つめてくるんだけど、
「ムリ。
昔から食が細いし。そもそも、指導をユルくしてもらうためにやってるのに、目上の人の礼儀云々とか、本末転倒じゃん。」
「それはそうだけどね。
とりあえず、食事の方だけ美味しそうに食べるってところからスタートしたら?
たぶん、歓迎会とかで一緒にご飯食べることがあるっしょ。」
慶ちゃんの言う通り、実は今日はこれから歓迎会だ。
「実は歓迎会、今日なんだよね。
まあ、やるだけやってみるか。」
「あ!それなら、見た目をいつもとガラッと変えちゃおうよ!
恋にはギャップって大事だよ!」
まるで恋愛の先生のように自信満々の手越に流される形で、みんなにメイクとヘアアレンジをされた。
言い出しっぺの手越が見ているだけなことにも驚いたけど、まさかシゲが、ヘアアレンジやメイクが出来るなんて、意外だった。
「こんなもんでいい?」
シゲに鏡を出してもらい確認すると、いつもとはかなり雰囲気が変わり、大人っぽいものになっていた。
自分自身、変わりようにビックリしている。
「もとが可愛いからね。
あとは、Aちゃんが思う可愛い女の子を演じな。」
手越に背中を押され、私は歓迎会へ向かった。
118人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優愛 - 楽しみにしてるので、ゆっくりでいいので更新してくれると嬉しいです。 (2018年10月10日 0時) (レス) id: 8375485de7 (このIDを非表示/違反報告)
Omao831(プロフ) - 面白いです!今度頑張ってください! (2018年10月3日 19時) (レス) id: b5e4b08f3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:作者 | 作成日時:2018年9月1日 17時