最愛 3 (ページ10)

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智くんのお店から出て

少し歩いた所で

「それでA。三次会だけど。」

「課長、きっと課長が聞きたかったことはさっき全部話しました。智くんは兄です。血が繋がってませんが。ちょっと過保護な兄なだけです。」

「ん。それはよくわかった。」

「よかったです。」

ほっとした。

「だけどさ。」

ほっとしたのも束の間。

櫻井課長は立ち止まって。

私の方を向いて

「智くんの事、好きなんだろ？」

って言った。

「それは兄妹ですから、もちろんです。」

「バカか。」

課長はそう言ってため息ついて。

頭をブンブン降った。

「バカかもしれませんけど、
いえ、確かにバカですけど酷い。」

「あー、悪い。ごめんごめん。バカなのは俺なんだ。」

そう言って、私の手を引いて
ゆっくり歩きはじめた。

歩いてる間、なんにも話さない。

でも櫻井課長の手が熱いの。

何か話したほうがいいのかな？

どこに向かって歩いてるのかな？

しばらく歩いて、

ここでいい？って

アイコンタクトくれたのは隠れ家みたいなお店だった。

中に入ったらわりと混んでいて驚いた。

「ここもスタンディングのショットバーなんだけど、飲み物の種類が多いんだよね。何飲む？」

「課長におまかせします。」

「じゃ、あの席で待ってて。」

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