最愛 1 (S.S) (ページ1)

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ただ好きなだけ。
絶対に手の届かない人だから。

自分の気持ちを伝えることさえも
考えたことなんてなかった。

ただ好きなだけ。
それだけで幸せだった。

櫻井課長を初めて見たのは入社式。

緊張しながら向かった会場。
インターンシップで出会っていた同期と
少しおしゃべりしながら待つ時間。

会場の隅で談笑してるその人に
まさかの一目惚れ。

こんなにたくさん人がいて
遠くの隅っこにいたはずなのに

はっきり彼だけ浮かびあがってきた。

なぜだかわからないけど
名前もわからないその人に
心臓がドキドキしてきて

これこそが一目惚れってやつだと自覚した。

研修を2週間。

それが終わってやっと配属。
私はなぜか秘書課。
総務課を希望していたのに。

正直、秘書課？って驚いたけど
同期のみんなには羨ましがられた。

秘書課の課長の松本さんが社内で1番素敵らしい。

確かに！
松本課長は美しすぎる。

こんなに美しい顔って芸術の域。
スマートな立ち振舞。
神々しくて、こんなにキラキラした人と
一緒に仕事するって。

目が眩む。

しかも入社後かなりのスピード出世で
彼女はいない。
って、これ、誰情報なの？(笑)
とにかくみんな狙ってる物件。

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