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Aが花器に飾った花を持ってきた。
「うん。それいいね。」
って俺が言うと
「あら、本当に素敵な花器。」
って成宮が言ったから
「これAが作ったんだよ。AがNYで個展やるときに出品しようと思ってたやつ。でもなんかわかんねーけど急に個展やるのがキャンセルになっちまったから、俺が買い取ったの。」
「そんなことがあったのですね。お気の毒ですわ。」
「成宮さん、よく知ってるんじゃないの？」
「何をです？」
「ふふ。Aのこと。」
「存じ上げません。」
「そ。」
「では、失礼いたします。」
って、作品も見ないで帰って行ったよ。
「大野さん、さっきの……。」
Aが心配そうにするから
「Aのいろんな事、邪魔していたのは成宮じゃないかなって思って調べてたんだよ。確証はまだ掴めてなかったけど、さっきのでわかったよね。」
そう言ったらAは、悲しそうに笑った。
「そんな事をしてしまうほど翔さんを想っているのね。私なんて放っておいても消えるような小さな存在なのに。」
「あの女にとっちゃデカい存在なんだよAは。」
翔ちゃんにとってもね。
翔ちゃんはほんとに罪深いよ。
これ以上拗れないうちに、早く迎えにこいよ。
ま、
永久に来なくてもいーけどね。
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作者名：ハルヒ
| 作成日時：2018年10月11日 0時
