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いきなり強く開いたドア。
私の目に飛び込んできたのは
夢でいいから逢いたいと願っていた人だった。
しっかり顔も見ないうちに
包み込むように抱きしめられて
耳の横。
小さな掠れたような声が。
「待たせてごめん。」
あぁ。
最後に聞いたのはいつだったかな。
愛しい人の声は
ずっと欲しかった言葉をくれた。
涙が溢れて
やっぱり夢なの？って不安になって
翔さんの背中に回した腕をぎゅっとしたら
あぁ。
翔さんのちょっと高い体温を感じて
夢じゃないって。
また涙が溢れた。
腕の中から離されて
顔を近づけて
やだ。
私絶対いま酷い顔してる。
やだ。
でも。
最後に見た翔さんより
ずっとずっと大人になった
ずっとずっと素敵になってる翔さんが目の前にいて
嬉しすぎて私は
泣きながら笑っていた。
「A、愛してるよ。」
心臓が止まりそう。
ずっとずっと焦がれていた。
ずっとずっと探していた。
照れ屋のはずの翔さんがくれた言葉が、私の心に温度を戻してくれる。
温かくて浸透して
溶けてしまいそうな程
翔さんが好き。
「私も......愛してます。」
愛してるという言葉よりも
私の心を伝える言葉が見つからなくて。
ただ強く抱きしめられて抱きしめて、キスをした。
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作者名：ハルヒ
| 作成日時：2018年10月11日 0時
