260・幸せの鐘 ページ10
俺の言葉に対し
何も答えず黙って
アルプスの山々を見ている
表情を見て確信した。
やっぱりニノも好きなんだ。
ニノ「この先に“恋人の聖地”として
認定されてる“幸せの鐘”がある
らしいよ。姫と鳴らす？
援護するよ」
黙って首を振り お礼を言った。
でも 思い切って聞いてみようか？
翔「……ニノ あのさ」
言いかけた所で
ゴンドラリフトが 到着した。
……ごめん ニノ。
俺 Aだけは
何があっても譲れない。
Aだけは……。
A「……きれいね」
美しい山並みと
それを少し切なげな眼差しで
見ている姿が
あまりにも絵になっている。
直「……見とれすぎ」
さりげなく隣から
小声で呟かれ焦る俺。
直「彼女とは うまくいってるの？」
翔「……去年別れてます」
俺を凝視する藤木さん。
翔「やっぱ 好きな子をムリに忘れる
なんてムリっすね」
藤木さんは嬉しそうに笑って答えた。
直「会ったり前！A〜！撮るよ。
翔君も並んで」
気が付くと みんな先に行ってて
初めて屋外でツーショットを
撮ることができた。
“幸せの鐘”鳴らしてご機嫌の父母。
直「いつか……俺も２人みたいな
夫婦になりたいな」
……嬉しい。
直兄を見上げて微笑んだ。
直「2年前にタイムスリップ気分」
……どういうこと？
直「素直になってごらんよ。
俺には今も Aを
好きにしか見えないけど」
あたしは そう切に願っていながら
翔君の横顔を見つめた。
直「恋する女の顔 久々に見たよ。
……あの頃よりグッと大人の」
でも頭をポンするのは相変わらずね。
直兄と入れ違いでメイが来てくれた。
黒「あいつクリスマスに別れてた
らしいよ」
A「……」
黒「きっと今でも
Aが好きだと思うよ」
それだけ言って行ってしまった。
……ふと振り向くと
翔君が 真っ直ぐに
あたしを見つめていた。
そのまま射止めるような目で
歩いて来る。
翔「……俺 謝らないから。
……キスしたこと」
……翔君の後ろ姿が
どんどん霞んで行く。
そして あたしも翔君に背を向け
ひとりで鐘を鳴らした。
きっといつか
この鐘を翔君と鳴らすこと信じて。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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りん(プロフ) - かおるんさん» いつもありがとうございます★私自身も早く甘いふたりを書きたかったです＊ (2014年1月14日 21時) (
レス) id: dad6bd0f93 (このIDを非表示/違反報告)
かおるん(プロフ) - めちゃ嬉しいです。ふたりに戻れてよかった。更新楽しみにしてます。 (2014年1月12日 17時) (レス) id: eeafce828e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん
| 作成日時：2013年10月24日 21時
