夜の果て(all J side) (ページ7)

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夜ゴハンページ7

ビールを入れた袋の中を覗いて

「中に他にも入ってますよ？」

『あ～、オレのワガママでお邪魔しちゃったから

　一品持ってこうかなって。』

「えー？！スゴイ！！

　見てもいいですか？」

『いいけど…笑

　大したモノじゃないよ？』

　
「…何かのフライ？」

『うん、カマンベールチーズ、好きでしょ？』

「！！！

　なんで知ってるんですか？」

…なんで知ってるんですか。。

なんでって、好きだって言ってたからだよ。

胸が…また、キューーーっとした。

『こないだ…言ってたよ。

　ちゃんと、ジャムも持って来た、ほら。』

オレがジャムの瓶を渡すと

「コレが松本さんの夜ゴハンだったんじゃ…」

なんて眉間にシワを寄せて言うから

『二人で食べた方が美味しいじゃん。

　いつもひとりで食べてて思ったから。

　…やっぱり迷惑だった？』

嫌われちゃ意味ないもんな。

がっつき過ぎたかな。

「そんなこと！！ないです！！！

　じゃ、あたしが食べようと思ってたのも

　チャチャっと作っちゃいましょう！！」

Aが缶ビールをグラスに移してくれた。

『乾杯』

ひと口食べて

『美味い！！

　このチーズ、削ってたよね？』

「そうなんです！！
　
　グレーターも大きいの買ったんです～」

『じゃあ、今度、オススメのお店、教えて？』

「チーズの？

　松本さんも、チーズ好きなんですか？」

…わかってる。

わかってるつもりだけど、

いちいち傷付くなぁ…

もっと、強くならなきゃ。

『…好きだよ。

　そのお店、一緒に行っていい？』

「はい！！是非行きましょう。

　…松本さん、あの、あたしとでいいんですか？

　彼女…とか…」

『彼女がいるのに、お隣さんだっていうだけで

　ひとりの所にあがってくるような男を

　朝倉さんは、信用して付き合っていける？』

「…ごめんなさい。」

『なんで謝るの…笑』

「あたし、さっき初めて松本さんにお会いした

　気分なんですけど。

　松本さんはちゃんとあたしのこと

　覚えててくれて…

　失礼ばかりなのに、優しくしてくれるし。」

俯いて、涙声になるA。

覚えてないって思うと、ツライんだろうな。

『優しくないよ…

　朝倉さんこそ、オレのこと何も知らないのに

　部屋にあげてくれて、ゴハンまでありがとね。

　あ、ちなみに、彼女はいないけど

　片付けたらすぐに帰るから大丈夫だよ。』

笑ってそう言った。