夜の果て(all J side) (ページ5)

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ひとりページ5

どうにか警戒心を和らげてくれたみたい。

安心したけど、焦っちゃダメだ。

帰る場所が同じマンションだから、

一緒に帰ることになった。

自然な流れで一緒にいられて良かった…

『傘、なんで持ってたの？』

「頭痛持ちで…気圧がおかしいと痛いんです」

『へぇ～雨降るのとかわかるんだ？』

「わかる…というか、まぁ…はい。」

前はそんなこと言ってなかったと思うけど…

どうしたんだろう？

事故のせいなのかな。

痛いの、すごい嫌いだったのにな。

無意識にAの額に触れてた。

ビクッてして、

オレを見上げるA。

『あぁ…ごめん。

　痛いなんて嫌だよね…』

触れたおでこは暖かくて、

当たり前なんだけど、

そこにAがいるって感じられた。

「…そう、ですね…

　偏頭痛だからって休めないですし…笑

　松本さんは？」

『オレ？

　頭、大丈夫かって？笑』

「え？いや、痛いの嫌だって言うから、

　偏頭痛の気持ちをわかってくださるのかと…」

『偏頭痛はないよ。

　頭も大丈夫！！ふふっ…笑』

なんだか普通にAと会話が出来始めて、

嬉しくなって笑顔を向けた。

同じ駅で降りて、同じ方向に向かって歩く。

もう少し近くを歩きたかったけど、

また警戒されたら困るから我慢した。

あ、ココのスーパー過ぎると

買い物出来るトコなくなっちゃうよね。

『スーパー寄ってく？』

「え…あ、買い物？」

『うん…しない？』

「あたしは大丈夫です。」

『ふーん…夜ゴハン、何食べるの？』

あ、やべぇ、普通に聞いちゃった…

焦ってどうにか弁解しようとしたら、

「そうだ、昨日のミートソースが残ってるので

　今日はそれをタコライスにします！！

　ひとりだとそうやって、

　毎日似たようなものでも文句言う人いなくて

　楽ですよね～」

良かった…普通に答えてくれた。

しかも…

『……ひとりなの？』

あーーー！！

だから、警戒されるようなことはやめようって

思ってたのに、口が勝手に…

「買い物とか心配してくださるから

　ついお友達みたいに話しちゃいました…

　スミマセン。」

『なんで謝るの…笑

　別にお友達でもいいのに。』

「あ、松本さん、スーパー寄るんでしたら、

　ココで…」

オレが寄るって思ったのか。

ちょっと…攻めてみようかな…

『…タコライス……

　朝倉さんのひとり分？』

一緒にゴハン、食べれないかな？

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