夜の果て(all J side) (ページ29)

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部屋ページ29

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「あの…なぜ同じ部屋に…」

案の上、ツッコまれた…笑

ここはシラを切りとおすしかないな。

『え？だって、露天風呂付きの部屋がいいって…』

とぼけて言うと

「はい、言いました。言いましたよ。」

『星空の下で露天風呂に入りたいって…』

「はい、言いました！！言ったけど！！！」

あ～、ダメかぁ～…

さり気ないと思ったのにな…

ここまで嫌がられると、仕方ないけど。

『…今からフロントに言って別にしてもらう？
　まだ空いてると思うから、言ってこようか…』

「…特に理由はなかったんですか？」

理由って…
ホントのこと言えないし。

取り繕って引かれても困るし。

『理由…そうだね、別にいいかって…』

言ってから、しまった！！と、思った。

なんだかAが怒ってる…？

怒るほど嫌なのか…

『…また百面相してるけど。
　部屋、どうするの？』

「あ、えっと…考えてみたら、
　松本さんが何かおかしなことを考えてるとか
　疑ってる自分がおかしいなって…」

『おかしなことって？』

例えば…自分のものにしてやろう！！とか…？

同じ部屋だからって、そこまでじゃないよ？

オレだって、そういうつもりで
1部屋しかとらなかった訳じゃないよ？

ただ…
せっかくだから、
いつもより長く一緒にいたかっただけで。

「え？あ？あれ？」

『ん？』

「大丈夫です！！！
　おかしいのはあたしでした！！」

『なんだよ…ココでいい？』

「はい！！いいです！！スミマセン！！」

…どういう心境の変化？

安全だと思われたのかな…

それは…男としてどうなんだ。

いや、嫌われるよりずっといいか。

『…謝らなくてもいいけど。
　露天風呂、見てきたら？』

「そうですね！！！
　明日は早くから行きたいし、
　ゴハンは何時でしたっけ？」

『7時に部屋に用意してくれるよ。』

「じゃあ、まだ時間ありますね…」

『いいよ、入ってきて』

「いいですか？！
　ホントに温泉好きなんですよ～
　松本さん、お先に！！」

ウキウキで風呂に向かうAを見て、

オレはなんだか…

泣きそうだよ。

前みたいに、一緒に入りたいな…

あぁ…そういうこと考えないんだった！！

考えちゃダメなやつ～！！！

少しでも思い出して欲しくてしたことなのに、

今さら、同じ部屋にしたことを後悔した…

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