夜の果て(all J side) (ページ28)

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彼女の表情ページ28

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『どうぞ？』

「あたしのこと、知ってるんですか？」

…知ってる。知ってるよ。
かわいくオレの下で啼くAのことも知ってるよ…

Aの口グセも、
好きな食べ物も、
得意料理も、
好きな芸能人も、
ストレス解消方法も、
お気に入りの香りも、
大事にしてる靴も、
とっておきのドレスも…

ねぇ…
オレは、Aを忘れたことなんてないよ。

忘れることなんて出来ないよ。

今でもこんなに好きだよ。

『…それを、見つけに行くんでしょ？
　あんまりオレがいろいろ言うと
　またニノに怒られちゃうから…笑』

オレをじっと見つめてる。

話を逸らそうとスマホを見ながら、

『お、こんな宿もあるよ？
　すげぇなぁ～…
　温泉！！温泉がある所にしよう！！
　夏でも温泉って気持ちいいよねぇ。
　Aは夕陽がキレイな所と
　星がキレイな所、どっちがいい？』

「露天風呂から星空が見えたら、
　ロマンチックですねぇ～」

『そっかぁ…東京じゃ見れないもんね。
　星が見える露天風呂付きの部屋にしよう～』

Aの風呂好きも、
星が好きなのも、

全部、知ってるんだよ。

なんて…心の中でいっぱい考えた後、

怖っ！！！
自分、怖っ！！！

ストーカーみたいになってる！！

って、ふと我に帰って苦笑が漏れた…

こんなんで、二人で泊まりなんて…
オレは大丈夫なのか？！

ニノの理性を見習おう…

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