夜の果て(all J side) (ページ26)

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二人で？ページ26

トイレにあったことについて、

「持って入って、置いて出てきたんですね。」

なんて無邪気に言ってるから

そりゃそうだろ…と思いつつ

『…まぁ、状況からしてそうでしょうね…』

「あはは！！
　今の言い方ニノみたい！！」

『さっきから、オレとニノのこと、比べるね？』

ボソッと本音が出ると、
しまった…っていう顔して…

「ごめんなさい…
　不愉快…でしたか…」

『いや、不愉快って…笑
　ただ何でかなって疑問だっただけ』
　

あまりに申し訳なさそうだったから
笑いながら答えた。

「…あたし、ホントに、ニノしか知らなくて…」

ん…？？

待て…待て待て待て…

『……一般的に、誰々しか知らないって
　女の子がいう時ってさ…
　ソイツとしかヤッたことない、みたいな
　意味…だよね…？』

まさか…ニノとはそういう仲…
そんな訳ないだろ…
ニノは今朝、気持ちを初めて伝えたんだよな？

「ちょ！！ま、え？！
　ヤッてない！！！
　ニノとはそういうんじゃ！！
　あれ？！ごめんなさい…え？？」

『すげぇパニックじゃん…笑』

「あの、目が覚めてからはニノとしか
　一緒にいなくて…
　友達って言えるのはニノだけ…
　両親も死んじゃって、
　あたし、ひとりぼっちなんです。」

気付いてないのかな？
そういうの、好きって言うんじゃないのか？

「…でも、変な意味じゃなくて、
　松本さんが現れてから…」

『え？オレ？』

驚いて思わず大きな声が出た。
オレ、やっぱ何かしたか？

「あたし、あなたのこと、知ってる気がして。
　考えようと思っても、頭痛くて…
　急にさっきみたいに涙が出たり…
　だから、思い出そうと思うんです。」

そうだよ…
知ってるんだよ、オレのこと。

だって、オレたち、結婚するはずだったでしょ？

「…事故の現場に行ってみます。
　夏休みがあるので。
　夏のウチに行かないと。」

夏のうち…

多少は覚えてるのかな…

確かに、あれは、夏の出来事だったから。

『なんで夏なの？』

「いつも、思い出すのは夏なんです。
　知らない…忘れてる誰かを思い出すのが。
　香りまで思い出して、気配を探したり…
　知らないんですけどね…笑」

『オレも行っていい？』

自然と聞いてた。
てか、オレが一緒に行かないでどうする！！

「松本さんとあたしで行くんですか？」

『嫌？』

「嫌…じゃないですけど…
　え？」

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