夜の果て(all J side) (ページ23)

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ホントの気持ちページ23

『ニノのこと、大切な人だって。

　なのに、オレのことは全く覚えてない…』

「だから何？…ヤキモチ？」

『ヤキモチ…って…

　まぁ、仕方ないよ…

　むしろ、感謝してるよ？

　そばでAを支えてくれて、ありがとう。』

オレなりの、精一杯の強がりだ…

起きた時、そばにいたのがオレだったら…

そしたら覚えててくれたのかな。

『はぁ…

　全く思い出せないのかな？

　頭痛？酷いんだろ？』

「うん…」

『病院、まだ行ってるの？』

「頭痛の薬とかは貰いに行ってる。」

『…頭痛も事故のせいなの？

　本人は偏頭痛って言ってたけど…』

「いや、そんな初めて会った人に聞かれて

　正直に答えたらひかれるでしょ…

　それは事故の後にAが自分で考えて

　身につけた技みたいなもんだね。

　偏頭痛って言えば大丈夫だった！って

　喜んでたし。

　そんなことすら誰にも言えないんだよ。

　だから、オレはずっとそばで支えていきたいの。」

『…そっか。ありがとな。』

自然に出た言葉だったけど、

ありがとう。

って何だよ…笑

オレのこと、覚えてないんだから、

オレのものじゃないのに。

むしろ、今のAの気持ちはニノにあるのかも…

告白されて、動揺してたけど、

その後も普通に寄りかかってたし。

Aの気持ちが全くオレに向いてないんだったら、

オレが邪魔者なんだろうな。

オレは10年会えなくても、

会って話したら、あっという間に

あの時の気持ちとか蘇ってきたのに。

それを期待すること自体、間違ってるのかな。

「…潤くん、オレそろそろ帰るから。

　Aに謝ってきなよ。

　お邪魔しました～」

パタパタと荷物をまとめて

手を振って出て行った。

そんなニノの背中を見て、

オレはAの部屋に行こうって決心した。

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