夜の果て(all J side) (ページ22)

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事故の記憶ページ22

Aが事故に合った日、

目的地は…オレの実家だった。

『Aと一緒に行くよ』

「あ、いいのいいの！！

　あたしはお父さんたちと行くから。

　ごめんね、お父さんの仕事のせいで

　一緒に行けなくて…」

『大丈夫だよ…でも、いいのかな？

　わざわざ来てもらうのに、

　オレが運転して行った方が…』

「そんなに心配しないで。

　お父さんの都合で潤のご家族にも

　日付ずらしてもらったんだし。

　それに、潤の運転じゃ

　お父さんもお母さんも緊張しちゃうよ。笑」

『それどういう意味だよ～笑』

「ずっと潤と一緒じゃ緊張しちゃうもん。

　あたしもくっつきたくても

　お父さんたちの前じゃくっつけないし…」

かわいく擦り寄ってきて、チュってキスをした。

「こーゆーこと、出来ないでしょ？」

って耳元で囁くから…

そのまま抱き締めて

『A、それ、オレが運転してても出来ないよ…』

「あれぇ？ホントだ…笑」

『キスより先はもっと出来ないね～

　あ、それは着いてからも無理だよ？

　ウチの母親が、同じ部屋には寝かせないって。

　結婚するんだからいいのに…』

「バカ、嫌だよ！！

　親のいるトコでそんなん…」

『じゃあ、今がチャーンス！！』

「ふふっ笑もう…ホントにバカ～！！」

『バカバカ言ってる悪いお口はコレかな！！？』

・

その次の日、オレは一足先に実家に向かって、

さらに次の日に、Aたちが着くのを待ってた。

待ってたんだ。

ずっと、ひたすら。

あまりに遅くて心配で連絡したのに

全然連絡が取れなくて。

知らない人から連絡が来るまで、ずっと…

オレは、何がどうなってるのか、

何もわからないまま、

Aのいる病院に両親と行った。

そこで言われたのは

Aのご両親は、ほぼ即死だったこと。

Aは一命は取り留めたけど

眠ったままだということ。

Aはご両親しか家族がいなかったから、

これから家族になる予定だった

オレの家族で葬儀をした。

葬儀と言っても、

立派なものは出来なくて。

なんせ知らないから…

それに、Aが目を覚まさないのに

余計なことはしちゃいけない気がして。

オレは毎日、毎日、Aの所に通った。

いつ目を覚ますかわからないし、

目が覚めた時、ツライ現実を伝えるのは

オレだと思ってた。

なのに…

目を覚ました時にはニノがいて。

Aはほとんどのことを忘れてた…