夜の果て(all J side) (ページ3)

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予感ページ3

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待ってたことがわざとらしくならないように、

『あ、来た来た。

　へぇ、傘がもうひとつあるってのは

　ウソじゃないんだ。』

って、傘を持ってるかどうか確認した。

でも、そう声をかけた

オレのことを怪訝そうな目で見ながら

「お疲れさまでした…」

って、横をすり抜けようとする。

『…なんで？』

思わず、Aの腕を掴んでた。

どうして、オレから逃げようとするんだよ。

A…

ホントに忘れちゃったの…？

オレだよ？

潤だよ？

オレの腕を、しみじみと眺めて、

それから、

ゆっくりと、オレのことを見上げた。

あぁ、Aだ…

あれから10年経ったなんて、

思えないくらい変わってない。

変わってないのに、

その表情は「戸惑い」しか写してない。

『なんで逃げるの？』

「逃げてはないですけど、

　仲良くお話する理由もないかと…」

『…え？』

一瞬、目の前が暗くなった。

面と向かって言われると、かなりの衝撃だな。

あ、やべぇ、泣きそうだ…

ココで急に泣いたら、

それこそ引かれるわ～

がんばれ、オレ！！！

って、必死に堪えてたから、

顔、怖かったかな…

ビビらせるつもりはないんだけど。

「ごめんなさい…

　でも、傘はたまたまなので良かったら…

　あ、嫌だったらそのまま持って帰ります。

　お節介だったかな。」

『…オレ、朝倉さんと話したくないなんて

　全く思ってないよ。

　なんなら、声かけたのオレだし。』

オレのこの気持ちが、

Aにうまく伝わればいいのに。

せっかくなんだから、

一緒に帰りたい。

もっと一緒にいたいよ。

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