パニック ページ20
「けど…気にしないで。
聞かれたから答えたけど、
また頭痛い原因が増えても困るし。
今でも通りで大丈夫だから。」
頭痛い原因…
オレのことか…？
Aが困った顔をしていると…
「いや〜、オレも潤くんが現れたから
ちょっと焦ったのかな？！笑
しゃべり過ぎちゃった〜」
また空気を軽くした。
ホントにコイツは。
困った顔して黙ってたAが口を開く。
「じゃあ、この指輪くれたのは…」
「あぁ、それ、誰にもらったか
覚えてないんだ？」
「そうなの…
でも、ずっと大切にしてたから、
大切な人からもらったのかなって思って…」
『誰からもらったか、覚えてない…の？』
鈍器で頭を殴られたら、
これくらいの衝撃なのかな…
この流れで聞いたってことは、
ニノがくれたと思ったんじゃない？
まだはめててくれたから、
当然何かしらは覚えてるからなんだと思ってた。
「大切な人からもらったのかな…」
って…そのくらいの記憶なの…？
いや、もはや、それって記憶にないよね。
「思い出そうとすると、頭が痛くなって…
昨日みたいに倒れちゃいます…笑」
「無理して思い出さなくて、いいんじゃないの？」
ニノは優しく言ったけど…
少なくとも、オレはAの前に
現れない方が良かったのかもしれない…
何かを考えるみたいに
眉間にシワを寄せてたAが
ニノに寄りかかる。
「考え過ぎるから。」
ニノの肩に乗せた頭を、ポンポンってされてる。
「思い出さない方が、幸せなことだって
あるんだよ。」
ニノがオレを見て言った。
…そうなのか？
思い出させちゃいけないことなのかな。
・
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作者名：2530 | 作成日時：2016年9月25日 14時
