朝ゴハン ページ18
「…おはよ」
『おはよう…
朝ゴハン、食べれる？』
「ん…え？潤くん、作ってくれてるの？！」
『なんで驚いてるの？』
「驚くわ！！オレのために！！
朝ゴハンを作ってくれてるなんて！！」
『言い方！！』
「休みなのに、偉いな…オレには出来ない…
ねぇ、Aのこと呼んでおいでよ。」
『は？AはAで食べてるよ。
まだ寝てるかもしれないし…』
「わかんないじゃん！！
せっかくなんだから、呼んどいでって！！」
グイグイ背中を押されて、
自分ちから追い出された…
なんだ、コレ…
で、Aの家の前ですでに10分くらい立ってる。
扉の前にずっと立ってるとか怪し過ぎるだろ…
ピンポンを押せばいいんだけど。
だって…なんでオレ…
ニノが来てくれた方が嬉しいんじゃ…
うわ…卑屈だわぁ…
むーーーー…
えいっ！！！
あぁ、押しちゃった…
「おはようございます…」
『お、起きてた？
良かったら、ウチで朝ゴハンどうかなって…』
…で、なぜか三人で食べることになった。
オレとニノのことをみてAが言う。
「…ニノと松本さんはお友達なの？」
そこから…？
てか、友達くらいの仲じゃないと
泊めないだろ。
営業同士だからってニノが答える。
「あぁ、そっか！！
あたしは会社の人、全然知らないから…
松本さんのことも知らなかったよ。」
とか言ってる。
オレのこと、知らなかったって…
ダメだ…やっぱり、心が抉られる…
『そうだよね…
ニノとはずっと仲良いの？』
「うん、学生時代からのお友達だよね〜」
『…そっか。』
ニノのことは学生時代からって覚えてる？
そこに、オレは…いない…？
「早く食べようよ！！」
ニノに促されて、ゴハンを食べ始まる。
なんだか…
オレは、味噌汁の中の豆腐が
石みたいに感じた…
味もよくわからない…
ホントに哀しいと、
涙とか出ないんだな…
ただただ、
胸が痛くて、
苦しくて、
重い。
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作者名：2530 | 作成日時：2016年9月25日 14時
