夜の果て(all J side) (ページ13)

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奮発ページ13

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ふと気付くと、ニノがこっそり帰ろうとしてる。

…オレも帰ろ。

『何ニヤニヤしてんのぉ？』

顔に締まりがなくなってるニノに

後ろから声をかけた。

「なんだよ、驚かすなよ…

　てか、なんでいるんだよ？！」

『ニノが出てくの見えたから、帰って来た。』

「ストーカーか…」

『ふふ…笑ある意味ね…』

「支社にまで追いかけてくるなんてね。」

『…聞いてた通り、まったく覚えてないのな。』

「ん…お前、無理矢理すんなよ。」

無理矢理って…

ニノはずっとそばにいて、

そのままでいいよって言ってたのかな…

だから、ニノのことが好きなのかな…

…二人は、付き合って…んのかな…？？

とか…思ってたら、なんかニノに警戒された。

『ニノ、安心して！！

　これからはオレが守るから！！』

って張り切って言ってみたのに。

「潤くんには無理だよ…」

『何で…

　田中のこと…？』

「あれ？さすが、気付いてたんだ。

　わかっててああいうことするの？！

　性格悪っ！！！」

『えぇ？何も知らない顔してるから大丈夫。

　攻撃は最大の防御…ってね。』

ニノはみんなに優しいんだろうな。

すべてに於いて、平和主義。

昔からそうだったよ。

『ウチ寄ってく？』

もう少しニノと話したくて言ってみた。

「奮発してアイス買っていこうか。」

『ケチのくせに珍しい！！』

ニノのことは好きだけど、

Aのことを想う気持ちはオレと一緒なのかな？

直接聞いても、誤魔化されちゃうと思う。

友達と好きな人が一緒って…初めてだ。

オレは勝手に、いくら忘れられてても

会って顔を見て話せば、

Aは思い出してくれるだろうって思ってた。

まさか、こんなにすっぽりと抜け落ちてるとはね…

さすがに哀しいし、淋しいし、やるせない。

どうすればいいのかも、わからないよ。

『ねぇ、奮発したアイスって何？？』

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