夜の果て(all J side) (ページ12)

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『あ～あ、帰っちゃった…』

駅の改札に吸い込まれて

小さくなっていくAを見送りながら呟く。

そんなオレにため息混じりでニノが

「…お前さ、知らない訳じゃないんだから、

　あんまりああやってAのこと

　からかうんじゃないよ。」

とか言ってきて。

…からかってなんかいないのに。

本気と書いて、マジなのに。

とりあえず、

ずっと気になってたことを聞いてみる。

『…指輪、してるんだね…』

「…アイツの中では止まってるんだよ。」

何が…？

時間が止まってるの？

だとしたら、いつから？

なんで、オレのことだけ忘れたの？

『どうしてニノとは仲良しなの…』

「そりゃ…同期だし、大学一緒だったし…

　まぁ…高校も一緒だったんだけどね。」

『待て待て…オレだって…』

言いかけたら、

よく知らない子に「主役」とか言われて

店に連れ込まれた…

乾杯と共に、なぜか囲まれる。

この支社は…肉食女子が多いのか？

ニノだってイケメンだと思うけど。

アイツのとこ行けよ～。

と、目だけでニノを探すと…

げ、田中に絡まれてるじゃん。

あー良かった…

だったら、こっちのがよっぽどいいや～

ニノ、お疲れーーー！！！

マジで面倒くさそうな顔してる…笑

田中はなんでAのことを目の敵にするんだろう…

あの辺りの女子社員は

田中の言いなりなのか…

だとしたら、田中はどんな権力があるんだ？

多分、そんなこともニノなら知ってるはず。

また後で聞いてみよう。

ニノとは話したいことがたくさんあるな。

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