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Mside
朝、翔さんが先に起きてシャワー浴びていた。
「…いつもより早起きっすね、翔さん。」
「潤…ごめんね。」
それはどういう意味なんすか？
俺を弄んでるつもりなんですか？
どんな理由で謝ってるつもりなんすか？
「潤を困らせるつもりなんか一つも無いんだ。ただ、酔った勢いでやってしまった。潤がとても愛おしく思えたから。」
「…っ…そうっすか…困りましたね。い、言っておきますけど、翔さんだって…俺から見たら十分、愛おしい存在っすよ。」
気まずくなってしまった。
こんな台詞、ドラマでも言わないだろう。
ここ最近で一番、恥ずかしい。
「潤…あ、ありがとう。とりあえず、朝食…つ、作ってほしいなぁ…なんつって…。」
「あっ、あ、うん。いいよ。」
翔さんとの会話がぎこちない。
今までこんな事、あったかって言うくらいぎこちない。
「潤は本当に料理が上手いよね。」
「改まって何すか、それ。」
「い、いや…香りで唆るっていうか…上手く言えないけど、俺には無いものばかり持ってるから。」
そう言うと翔さんは駆け込むようにチャーハンを口に頬張っていく。栗鼠みたいにパンパンで大丈夫なのかな？まあ、いつも通りの食べ方だし、嬉しそうだからいいけど。
「…翔さん、口に付いてる。」
「えっ、あっ！」
俺が食べてやった。すると、翔さんは恥ずかしそうに俯く。その仕草すら年上だけど、可愛い。
「全く…外では止めて下さいよ？」
「えっ、うん、気をつけるよ。」
俺以外の前でそんな事やったら嫌だね。品格も損なわれるし、翔さんも外ではしっかりやるように意識はしているだろうから大丈夫だとは思うけどね。
「潤、食べたら仕事？」
「そうですよ？」
「頑張ってね。」
「そういう翔さんも仕事っすよね？」
「うん、編集作業が大変だよ。」
「お互いに仕事じゃないですか。翔さんも一生懸命に働いて頑張って下さいよ？」
「うん、潤のご飯食べたし、頑張れる。」
そう言うと流しにお皿を運ぶ彼。何だよ、今の。最高の褒め言葉じゃないか！
思わず、顔を隠したくなるぐらい照れる。
翔さんから褒められると笑みが止まらない。
「翔さん、ありがとう。」
俺は頬に軽くキスを落とした。
翔さんはそれを見て俺にやり返した。
「なっ！しょ、翔さん、ズルいっす！」
「潤からやったくせに…お互い様でしょ。」
そう言うとニヤッと笑って準備を再開した。
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作者名：山風無限 | 作成日時：2019年7月26日 1時
