7. ざわざわ ページ18
Mside
買い物に行くと伝えると雑誌に夢中だった翔さんが俺も行くーと言って付いてきた。
というか、助手席に堂々と座ってやがる！
「どこ行くのー？」
「インテリア見に行くんだけど。」
「ほぇー何かほしーのあるのー？」
「模様替えだよ。カーペットとか、後、普通に食器とかも欲しいかな。」
「潤って、いちいち、お洒落だねー。」
これ、褒められてるのか？
翔さんは缶コーヒーを飲みながら、嬉しそうに車窓からの風景を眺めている。
持っているアイテムは大人っぽいが行動は子どもだな。
「ドライブなんて久々だよー。それに潤のマイカー。」
「はしゃぐな。みっともないぞ。」
「んぁーいいじゃん。2人きりだしー。潤ってすぐ怒るよねー。寿命、縮んじゃうよー？」
「余計なお世話だよ。」
主に俺の寿命を縮める原因、翔さんだからね。最早、煽っているようにしか聞こえないぞ。
「潤の部屋、快適だよねー。俺の部屋もコーディネートしてよー。」
「翔さんの部屋、コーディネートした所ですぐ汚くするでしょ？掃除もろくに出来ないんだから。」
「俺だって綺麗な部屋だったら、汚さないもん。」
「引っ越し当初はどうだったんだ？」
「うーん、段ボールを解体してそのままって感じー。潤と初めて会った時が俺の部屋の汚さのピークって感じかなー。」
「マジかよ…。」
いやいや、汚さにピークとか無いから。綺麗か汚いかの2択しか無いから。
「潤が居なかったら、俺、今頃、どうなってんだろーねー。」
その世界線、恐ろし過ぎる。
ある意味、大家さんに頼まれて良かったのかもしれないな。
「…ったく、仕方ねぇ。翔さんの部屋、少しはコーディネートしてやるからさ。」
「やったぁー。潤、優しいー。神ー。」
こうなったらやけくそだ。
汚い部屋より綺麗な部屋の方がどう考えてもいいに決まっているし、俺も行き来しやすい。どっちにしろ、既に選択肢なんて無かったんだよ。
「着いたぞーって…寝てんじゃねぇか。」
「ん…んぁーごめんごめんっ！そんなバシバシ叩かないでー！俺のか弱い体がぁぁ！潤の心地良い運転とかける音楽の趣味が合うからーつい寝ちゃっただけじゃんよー。怒らないでー！」
「ハァー…ほら、行くぞ。」
「うん！楽しみー。」
2人で並んで歩くと視線が凄いな。
翔さん、素の感じで喋らなければ、明らかにモテるもんな。
「潤？」
「ち、近いから。」
覗き込まれた。
貴方っていう人は油断すると危うい事しかやらねー。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山風無限 | 作成日時：2019年7月26日 1時
