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Mside
「潤、気分転換に外食しよー？にのも外で食べたいよねー？」
半ば、強引に翔さんに同意を求められ、頷く和。可哀想だな。でも、偶には贅沢もいいか…。ずっと、家に居てもつまらないだろうし…。
「じゃあ、行こうぜ。」
「んぁー珍しく潤が乗り気だぁ。いいねー。」
それで回転寿司って…。
これでは、和に示しがつかねぇだろ。
まぁ、当の本人、ましてや和まで目をキラキラさせてるし、思う所があるのは俺だけか…。だったら、黙っておこう。
「最近の回転寿司は本当に凄いね！ラーメンとか、ポテトとか、飽きさせない天才だね！あー！にの、ハンバーグ軍艦、食べまくってるー！俺にもちょーだいっ！」
「別にいいですけど。しょー、注文したらどうなんですか？」
「んぁ、色んなの試したいもん。」
頬を膨らませている翔さん。
プライベートになると本当に子どもだ。
子どもが2人いるみたいだ。
「翔さん、可愛く言っても無駄だぜ？子どもに1つ貰うとか、大人がやる事じゃないぞ。俺が1つ頼んだから、俺と半分に分けろ。その方が幾らか大人だ。」
「はぁーい。潤、ありがとね！」
「優しいですね、じぇー。」
「和は好きなものを食べていればいいんだよ。翔さんは俺に任せろ。」
そう言って頭を撫でると嬉しそうだった。やっぱり、中坊でも、まだまだ子どもだな。何かよく分からないけど、母性ってこういう事を言うのかな…？
「にの、このハンバーグ軍艦、美味いんだけどー！正規の発明だよ！潤、企業努力の賜物だね！潤ももっと頑張るんだね！」
「ハァ？何で回転寿司と比べるんだよ。イタリアンと全然、関係ねぇだろうが。」
「お財布に優しいし、美味い。安い早い美味いは鉄則でしょー？」
「ったく、俺が働く店は牛丼屋じゃねぇんだよ。だったら、お昼、毎日、食いに来なくてもいいだろうが。」
最早、常連客。
女性スタッフはいつも釘付けだ。
ワイシャツでネクタイを緩めたサラリーマンスタイルの時には女性スタッフ全員、恋する目をしている。
「だってー、俺が足を運ばない限り、潤の働く姿なんて見れないもん。」
「あーはいはい。」
「ちゃんと聞いてくれてもいいじゃん。」
彼女みたいな発言をされても…。
嬉しいか嬉しくないの2択だったら、嬉しいに決まってるけど、値段が高いのは事実だし…。
「やっぱり、あんたら付き合ってるでしょ。」
「「付き合ってない！！」」
和はポテトを摘みながら、そう呟いた。
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作者名：山風無限 | 作成日時：2019年7月26日 1時
