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ワタワタするリコに、私達は状況を説明し、机に入っている紙を確認する様に求めた。
「なんでタイムスリップじゃないんだ…」
とリコはずれた感想を言っていた。まあ、リコは歴史好きだから、折角なら江戸時代とかに行きたかったのだろう。まあ兎も角、紙を確認する。
『贈呈品項目』
・卓越した人心把握能力。
・異能力「蟷螂」
蟷螂の怪物に変化する力を有す。
・端麗なる容姿
・12歳の若き体
相変わらず下の二つは変わらないなあ。
其れは兎も角リコは…
「うおおぉ、漫画見たいな設定ぃ」
なんかもう一周回って楽しんでいた。
ねぇ、二人共順応早すぎない?? 私45分間グダグダしてたんだけど。
そんな私を見てリコが言った。
「其れはほら、グダグダしても事実は変わらないので」
「リコは何故私の思っていた事が分かるんですか??」
私が聞くとリコは自分の紙に書いてある「卓越した人心把握能力」の場所を指差した。
あ、そういう事?
詰まるところリコは人の心が読めるように成ったらしい。
すげぇ。太宰さんとドストさんみたいだ。
よく考えたら、テツの「推理能力」は乱歩さんみたいで、私の「記憶能力」は今迄上げた三人に共通する部分だ。
之は頭脳的な部分では三人合わせれば最強になるのでは?
凄く頼もしい部分に気づき、私は静かに安心したのだった。
「と言う訳で、これ迄の家の散策の成果と、お互いの情報を交換しようと思います!」
約一時間後、一階のリビングルームで、私は言った。
あの後私達は家の中を三人で調べ周り、色々な物を確かめた。
因みに、私達の他にこの家に人間及び生物は居なかった。
部屋が六部屋有ったので人も六人居ると思っていたのだが、居たのは私達三人だけ。
詰まる所私達は、三人でトリップしたらしい。
三人って珍しいよね。私が読んでいた夢小説は殆ど一人だったんだけど…。
そう思ったが、二人には言わなくても良いかと口は開かない。
次に一階については、三人別々に調べたので此処で確認する。
私、リコ、テツの順で自分の見たものを喋っていく。
纏めると大事な事はこんな感じだった。
リビングの小物入れの中には通帳が4つ、鍵が2種類4本づつ。
リビングの机の上にはファイルが有り、中には家の所有権なり私達の情報なり大事な諸々の書類が入っていた。
生活に必要な物は大抵揃っていて、買いに行く必要は暫く無い。
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作者名:ミキノ・乃 | 作成日時:2020年6月19日 14時