今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:5,379 hit
小|中|大
・ ページ16
「かっ……」
秘書が声を上げた。
見ると、胸には二つ穴が空いている。
――ありえない!
心の中で、上木は叫んだ。
少年は布袋を被せられ、両手を縛られていたのいうのに、正確に裏切り者の秘書に報復を果たした。
其のことが、信じられなかった。
ガチャっ。
秘書の傷に目を奪われていた上木は、銃が壁にぶつかる音で、視線を着物姿の男と殺し屋に移した。
見ると、男が少年を床へ押し付け、裸じめにしている。
「貴様っ……!」
福沢がそう言いながら、殺し屋の布袋をはぎ取った。
出てきた顔は若い。上木達と同じくらいの少年に見えるが、その表情は空虚だ。
その表情と諦観の感情に上木はゾッとする。
十代半ばの少年がこんな表情をすることがあるなど、上木は知らなかった。
そんな上木の視線に見つめられながらも、福沢は差し迫った表情で少年の首を絞めた。頸動脈を圧迫し、気絶させる。
気絶する迄、少年の表情は恐ろしいほど変わらず、空虚なままだった。
第八話 さっきまでのシリアス展開は何処に行ったよ!→←第六話 ありえない!
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミキノ・乃 | 作成日時:2020年6月19日 14時