*。近くて遠い君【 Sho , Hi 】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:559 hit

▽ 3 ページ3

『ん、髪の毛終わったで、朝食、たべてきい。』

ありがとう、そう言って紫耀は朝食を食べに行った。

紫耀が朝食を食べている間私は紫耀の家の猫ちゃん、通称ネネとはなと戯れる。猫好きの私にとってこれが1番の楽しみ。

『ネネ、はな、おはよう』

毎朝ネネとはなにもちゃんと挨拶をする。

それからちょっと戯れて、紫耀がごはんを食べ終わったところで

『「いってきます ! 」』

背中に紫耀のママさんのいってらっしゃいの声を聞きながら紫耀の家を出た。

スマホの時間を見ると 8:22 を示している。

うちの学校は8:30までに学校に入らないと校門が閉まる。

紫耀の家から学校までは歩いて15分ほどかかる。

『やばいでっ ! 急がな遅刻するで !!! 』

「もたもた歩いてる時間ないやん !! 」

『紫耀が起きんの遅かったからや阿呆 ! 歩いて行ったら確実に遅刻やで !! 』

「自転車でいこ !! 」

そう言って自転車を持ってくる紫耀。

私はさりげなく後ろに乗り込む。

「飛ばすからちゃんと掴まってな ! 」

ぎゅ、って紫耀につかまって。

『飛ばせ飛ばせー !! 』

そう言うと紫耀は全力で漕ぎ出す。

紫耀の自転車はほんとに早い。

その後ろで紫耀にぎゅ、っと掴まりながら紫耀の体はがっしりしててやっぱり男の子なんだな、と実感する。

こんなに紫耀と密着できるなら遅刻も悪くないな、なんて思ってたらいつの間にか学校に着いていた。