complicated love story. (ページ8)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:22,555 hit

3 ページ8

～

｢翔平！お前ほんとすげーな！｣

｢ね！ほんと！びっくりしちゃった！｣

『いやいや全然！みんなが応援しててくれたおかげ！ありがとな！』

｢翔平のためならどこまでも応援する！｣

｢うちも！！笑｣

たくさんのクラスメイトに囲まれながら、目線で樹を探す。

『……っ、仲良くなったのかな、』

俺の少し前を海青と歩く樹は、確実に海青に心を開いていた。

｢……藤原くん？｣

隣にいた女子が俺が見ている方を見て、声をかけてくる。

『あー…まあ、』

｢幼馴染みなんだっけ、羨ましいな、藤原くん｣

『なにが？』

｢だって、幼い頃の浦川くんをたくさん知ってるんでしょ？羨ましくなる！｣

『…どうだろ、笑』

｢……｣

HRが終わって帰る支度を済ませると、既に樹と海青は話していた。
なかなか楽しそうに話すその笑顔にもやもやとした気持ちが募る。

『…嫉妬なんて、馬鹿じゃねーの、笑』

樹が知ったら口に出しそうな言葉を自分で呟いてみても、樹の本当の気持ちなんて1ミリもわからない。

『、、ほんと、馬鹿だよなあ、』

「何が馬鹿なの」

上から聞きなれた声がしたと思って顔を上げると、いつの間にか俺の前に来た整った顔が覗き込んでいた。

『っいつき、』

「さっきから1人でずっと考え込んでる」

『あー、、これはちょっと、』

「お前は馬鹿でいいの、それが翔平なんだから」

『さっきから人のこと貶しやがって！……っ！！』

俺がそう言うと樹はふっと笑って頭に手を乗せてきた。

「翔平はこれでなきゃ、」

そう笑いかける顔はいつもの俺の好きな樹で。

海｢帰ろ！！｣

『……おう！』

あんまり深く考えなくてもいいかな、って思った。

～