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あいつはコミュ力が高くて人懐っこい性格からか、昔から友達を作るのが上手かった。

だからあいつの周りにはいつもたくさんの人がいて、俺はその真ん中で楽しそうにしてるあいつを見て何度も苦しくなった。

俺はあいつがいればいい。

好きな人だって、前にも後にもあいつしかいない。


なのに。

あいつは、……翔平は、そうじゃないから。

別に同じ気持ちを求めてるわけじゃない。

でも、好きな人には好かれたいし、お互いが1番で、欲を言えばお互いだけでいいのに、なんて。

これじゃあまるで矛盾しているけど。


……素直になれたら、この恋は1ミリくらいはプラスの方向に進むのだろうか。



唯一2人になれると思っていた帰り道には、翔平と隣の席らしいやつが着いてきた。

そいつは人受けの良い笑顔で手を差し出してくる。

さり気なく翔平の特別だとマウントをとった俺の心とこいつの心の大きさの違いを痛感させられているようで、


………あーあ、馬鹿みたい。



純粋に、そう思った。



4→←2


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作成日時:2021年1月24日 11時

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