※ ページ8
-Shogo side
…遅い。
…あいつ、何しとんねん。
既に時刻は10時を回っている。
何度もLINEを送っても、既読すらつかない。
電話しても出ない。
そのとき、シュガーがぴんと耳を立てて玄関に向かった。
翔吾「シュガー？…どうしたんや？」
追い掛けた俺の目の前で鍵が回る。
翔吾「A、お前こんな時間までなにして…は？」
ドアを開けた俺が見たものは、知らない男の背中で眠っているAの姿だった。
男「どちら様ですか？」
翔吾「Aの彼氏やけど。そっちこそ誰？」
男「えっと、テニスサークルの部長で…。」
取り敢えずAを男の背中から下ろす。
すると、酒の匂いが鼻についた。
翔吾「…お前、こいつに酒飲ませたんか!?
こいつ未成年やぞ!?」
宗方「すみません！」
男が逃げるように走り去る。
俺は舌打ちしてAを見下ろした。
…なんでスカートなんか履くねん。
と、そのときAの首で何かが光った。
翔吾「…？」
見覚えのあるリングが通されたチェーン。
翔吾「…これ、壱馬の…？」
Aをベッドに寝かせて、壱馬に電話を掛ける。
壱馬『もしもし？』
翔吾「あ、壱馬？…Aにリング貸した？」
壱馬『リング？…あー、貸した。
今日バイト先行ったら新歓あるって言ってて、翔吾には言ってないって言うから、男避けで。
…なにかあった？』
翔吾 「…さっき酒飲まされた状態で男に連れられて帰ってきた。」
壱馬『マジで？
俺酒飲むなって言ったんやけど。』
翔吾「…断れんかったんやと思う。」
壱馬『…そっか。』
翔吾「悪い、俺今日こっち泊まる。」
壱馬『分かった。』
電話を切って溜め息を吐く。
こんな首元で目立っている男物のリングに周りが気付かないわけが無い。
大方Aを酔わせて家に送ったところで、ことに及ぼうとしていた所か。
しかもあいつ、俺のこと見て焦ってたし。
…ムカつく。
俺に何も言わなかったAに、彼氏がいると分かっていながら酒を飲ませた男に、あまつさえAとそういうことをしようとしていたあの男にムカつく。
翔吾「…ほんまに自覚しろや。
俺だって苦労してんねんぞ。」
ずっと一緒にいて、付き合い始めてから2ヶ月。
未だにAは俺のことを"翔吾にぃ"と呼んでいる。
俺はもう一度溜め息を吐いて、Aの額に唇を落とした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
直実(プロフ) - かほさん» ありがとうございます。最近更新できてなくて本当にすみません (2019年6月2日 6時) (
レス) id: 30cb587ed2 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 展開すごく楽しみです(^^) (2019年5月29日 18時) (レス) id: eaeefd1f65 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Rayさん» ありがとうございます！壱馬くんと樹くんのお話、最近更新できなくてほんと申し訳ないです。 (2019年4月28日 7時) (レス) id: 30cb587ed2 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - ほんまです(*^▽^*)特に岩翔・壱馬・樹の三作が気に入ってます(〃ω〃) (2019年4月21日 22時) (レス) id: 2992f2d670 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Rayさん» え、ほんまですか？めっちゃ嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年4月21日 19時) (レス) id: 30cb587ed2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：直実
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時：2019年3月28日 15時
