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眉がピクリと動いた、とはいえ今は他のお客さんと接する時と何ら変わりのない対応をされている。
fk「はい。……でね?俺の名前、家族が付けたんじゃないらしいんですよ」
iw「誰がつけたんですか」
fk「さあ、知りません。母さんに聞いても、そう言えば誰がつけたんだっけ?みたいな。そんな感じで曖昧な返事しか返ってこないんで」
そう言うと、俺のズレた手をそっと戻して、今度はもう少し肩甲骨を意識してくださいと言われた。
iw「不思議ですね」
fk「あ、ちょっと気になってきました?」
iw「……まあ、」
fk「でもね、その名前の意味は知ってるんですよ。もっと不思議でしょ?」
そう言って振り向くと、岩本照は目を逸らした。
ほら、早く観念しろよ。
fk「意味は確か、辰のように上へ上へと進んでいってほしい。みたいな。でもどうやら辰哉の哉の字には意味が無いらしくて」
iw「……意味が無い」
fk「そう、何となくって言われた気がするんです。誰から言われたのかは知らないですけど」
俺が笑うと、岩本照は俺の徐々にズレていく手を正すことを辞めた。
その様子が気になってもう一度振り向こうとすると、頭を掴まれて前を向かされた。
そんなん普通の体験者さんにやったらお前クビだぞ。
そう思いながらも強すぎる力に逆らえないことくらいは分かるから、無理に振り向くことはしなかった。
iw「深澤さんは、本当に誰か知らないんですか?名前をつけた人」
fk「ええ、全く知りません。なんだったら、顔も覚えてないもん」
頭に乗せられた手が離れて、今度は肩に手を添えられる。
iw「深澤さんは、嘘があまり上手ではないんですね」
fk「おや?比較的嘘は上手ですよ?バレても10回に1回くらいだし」
iw「……なにを言って欲しいんですか」
やっとしっぽを出したな。
こいつは頭が固いから、最初はキレられて外に投げ出されるんじゃないかと思ってたけど、上手くいったらしい。
押してダメなら引いてみよ作戦。
それに、岩本照も気づいたみたいだし。
fk「ふふ…確か俺が嘘をつく時は、こうやって手を擦ってる時……なんだっけ?最近やっと意識し始めたというか」
iw「なんで…」
fk「他にもあるんだろ?教えてくれなかったけどね、俺の知ってる『ひかる』は」
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花(プロフ) - 星さん» また、最後には本来は良い人だった、という最終点を用意した事で、少しでも緩和されるようにと思いこの役に5人を入れました。少しネタバレになる発言ではございますが、嵐さんのお名前をお借りした理由を適切にお伝えするために失礼致します。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: 3efdfc6162 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 星さん» 貴重なご感想ありがとうございます。私も嵐担とスノ担の掛け持ちです。私は嵐さんメインのお話が書けない為、どこかで書きたいと思っており、今回の様になりました。不快な気持ちにさせてしまったこと、大変申し訳ございません (2020年8月24日 22時) (レス) id: 3efdfc6162 (このIDを非表示/違反報告)
星 - ストーリーが好きなだけに本当に残念です。長文失礼しました。 (2020年8月24日 21時) (レス) id: f4d89dd0be (このIDを非表示/違反報告)
星 - スノ担の中には、嵐担と掛け持ちしている人も多くいます。その人たちの気持ちは考えなかったのでしょうか?そもそもこの悪役が嵐である必要性が全くわかりません。作品に他グルの名前を出すのなら、最初に注意書きをするのがマナーだと思います。悪役なら尚更。 (2020年8月24日 21時) (レス) id: f4d89dd0be (このIDを非表示/違反報告)
星 - 初めまして、いつも楽しく作品拝読しております。この作品は大変面白いと思いますが、なぜ悪役に嵐の名前を使ったのでしょうか。普通の登場人物ならまだしも悪役で。はっきり言いますが、嵐担からすると非常に不愉快です。 (2020年8月24日 21時) (レス) id: f4d89dd0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2020年5月14日 9時