Escape World 2

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このことを知って、喜ぶべきなのか悲しむべきなのか。


今俺たちの抱く感情が全員において同じとは限らない。


だけど目指す場所は同じだ。



fk「明日、話に行こうと思う。阿部ちゃんとラウール、あと翔太も来て欲しい」

nb「分かった」



阿部ちゃんは頷いた。


翔太もいた方が話はスムーズに進むだろう。



mm「舘さん、佐久間君、俺達3人はＮｏ．1の情報収集に行きましょう。この辺りにいるかどうかだけでも分かったら今後のためになりますから」

dt「そうだね、ふっか達だけに全部任せらんないし」

sk「俺も！俺もやるよ！阿部ちゃんも頑張れ！俺も頑張る！！」

ab「ふふ、うん！」



寝息を立て始めたラウールを見て、皆が微笑ましく見守る。


誰からと言わず、ソファやベッドに横になり始め、各々が目を閉じた。







『Ｎｏ．4、俺に名前つけてよ』

『え？』



横には強顔の男…Ｎｏ．7。


前では他の6人が騒いでいた。



『明日は決行の日だし、どうなるかわかんない。だから今、名前をつけて欲しい』

『……難しいね』

『そう、だって俺ら普通の人がどんな名前してるかなんて知らないし』

『そこがネックだよなぁ』

『ネック？』



そっか、この頃の俺達は人の名前どころか、言葉の意味すら知らない事が多かったんだ。


そんな俺に名前をつけろだなんて…酷なこと言うな。



『ん、あー…研究員が使ってた言葉。確か、障害になる…みたいな？』

『なるほど。まあ俺はみんなでここを出て、幸せになれればそれでいいよ』



手で天を仰いだ彼の目は輝いていた。


現実に生きる俺には無い目だ。


まるで、子供みたいだな。



『……ひかる』

『え？』




え？




『ひかる、とかどう？』

『ひかる、か』



ひかる…？


俺今、ひかるって言ったの？


……Ｎｏ．7の名前も、照じゃん。



『そう、ひかる。俺達のヒカリで、目の前を照らしてくれる』

『じゃあＮｏ．4は…たつやとか、どう？』

『たつや…』



おいおい、嘘だろ…。



『俺この間研究員から十二支を教えて貰ってさ、そこに出てくる辰って言うのが、竜とか…そんな意味らしくて。竜は上へ上へと進んでいく生き物なんだって』

『竜…か』

『そう、その辰。んで、あとは何となく』



んだそりゃ。


そこまで理由付けろよ。


なんて自然と笑ってしまう。

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