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__あの日、俺と佐久間がすれ違った日。



新入社員として入社したばかりの俺は、慣れないマーケティング部の仕事に追われていた。


エリート、なんて言われる部署だけど、仕事が出来なければすぐに切り捨てられる部署でもあって。


とにかくその頃の俺は、しがみつく事で必死だった。


やっとの事で仕事に慣れ、余裕を持ててきた頃、デザイン考案部の資料が俺に回ってきた。


それはつまり、俺がマーケティングの仕事を行えるということ。


今までは先輩方の手伝いや資料確認ばかりだったが、今回は違う。


その資料に目を通して、パソコンとブレインを駆使して商品を作り上げる。


単純に楽しかった。


その商品はこんな機能がある、こんな利益を呼ぶ、そんな利点を語り告げた資料を今度は営業部へと持っていく。


すぐにそれは受理され、数週間後、発売されていた。


今度は嬉しかった。


これがやりがいか、と気づき、落ち込み気味だった気持ちが晴れやかになり、やる気で満ち溢れる。


そんな頃、マーケティング部に小柄な人がやってきた。


配属ではない、商品を売りにだ。



「阿部、少し手が離せないんだ、そこの会議室使っていいから少し話を聞いてやって欲しい」



上司からの命令?


いやいや、仕事を貰えたんだ。


俺にとっては嬉しいことこの上ない。



ab「マーケティング部の阿部と言います!こちらへどうぞ」

sk「ぁ…はい!」



これが、佐久間と俺の出会いだった。


会議室で話を聞くと、どうやらデザイン考案部の新入社員は研修を終えるとマーケティング部の方に自分で商品を持っていかなくてはいけないらしい。


それで今回はここに来た、という訳だ。


元よりデザイン考案部は3年間に1人程度しか配属されない部署らしく、今回は佐久間ただ1人、配属されていた。



ab「俺も新入社員だから同期ですよ」

sk「え?!…俺、周りが全員先輩だったから同期とかいなくて、超嬉しい!!阿部ちゃんって呼んでいい?!」



この頃の俺は勢いに圧倒されたっけ。


でも俺も嬉しかったんだ。


同期はいても、実力主義のマーケティング部ではもはや敵同然のようで、仲良くするどころか挨拶すらまともに返してくれない。


もちろん今は違うよ。


岩本さんが配属されてからは一気に変わったからね。


兎にも角にも、……この頃の俺達は2人とも孤独だったんだ。

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(プロフ) - 主さん» ありがとうございます^^*次はいわふかです、是非ご愛読頂けると嬉しいです! (2020年8月24日 7時) (レス) id: 3efdfc6162 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さくあべ完結おめでとうございます!!ゆり組もいわふかも楽しみにしています(*'▽')更新楽しみにしております、頑張ってください!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: fe76b4d331 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年8月5日 6時

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