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名を呼べば、ゆっくりと振り返る彼。


涙ぐんでいたように見えたが、実際に泣いていたらしい。


それは俺のせいだろうか。


また、彼を傷つけたのだろうか。



ab「……佐久間、俺の…せいだよね?」

sk「ちが…俺だって、泣きたくて…泣いてるわけじゃ……」



1歩歩くと、1歩後ずさる。


2歩近づくと、3歩離れた。


心の距離か、すれ違った時間か。



sk「阿部ちゃんは…さ、俺の事嫌いだったんでしょ?」

ab「え?」

sk「……だから、俺の事無視したんだよね?」



違う、嫌いなわけない。


あの頃だって、今だって大好きなことに変わりはない。


そう言いたい、けど、また喉が詰まって声が出せない。



sk「……ほら、謝るのも自分のためなんでしょ?」

ab「ちがう…違うよ、」

sk「……」

ab「本当にごめん…何でもするから、許して……」



そう言うと、佐久間は目を細めて俺を見た。


逸らされていた目線が交わって、熱くなる。


佐久間は少しだけ笑って、いいよと言った。



sk「その代わり、何でもしてね」



その言葉はまるで呪いのようだった。


口に出したのは確かに俺だが、佐久間はあの頃と同じ顔でニコニコと笑いながら俺を見すえる。


何でも、か。


例えばなんだ、仕事関連なら…社長秘書の地位を譲れとか、業績を全て自分のものにしろ、とか?


考えれば止まらなくなる。


要求は何か、それをいってほしい。



ab「俺、何したらいい?」

sk「ねえ阿部ちゃん。……抱かせて?」



お酒に酔っていたから、俺は頷いた。


静かに、街灯の下で。

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(プロフ) - 主さん» ありがとうございます^^*次はいわふかです、是非ご愛読頂けると嬉しいです! (2020年8月24日 7時) (レス) id: 3efdfc6162 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さくあべ完結おめでとうございます!!ゆり組もいわふかも楽しみにしています(*'▽')更新楽しみにしております、頑張ってください!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: fe76b4d331 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年8月5日 6時

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