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ふっかの言葉は核心をついていた。
確かに、俺は佐久間の事が好きだった。
特に喧嘩別れのようになってからは、会えない話せない近づけないということがどんどん辛くなって、好きだ好きだと頭の中でぐるぐる回っていたのをよく覚えている。
でもふっかの言う通りだとしたら、佐久間もそう思っている事にはならないだろうか。
なる、なるだろう。
ab「だとしたら、佐久間は…」
fk「抱いて仲直り、それでケリを付けるつもりだったんじゃない?阿部ちゃんとの仲を。んで、友達に戻ろうってね」
ab「今佐久間はどこにいる?」
fk「さあ、連絡してみたら分かるんじゃない?今日は休日だし、阿部ちゃんなら検討着いてても可笑しくないでしょ」
ふっかのその言葉に、俺はスマホと財布をポケットに突っ込んで家を飛び出た。
きっとあそこだ。
佐久間が大好きなものが沢山ある場所。
そう、秋葉原。
問題はそのどこなのか、だ。
アニメ専門店を周り、ゲームセンターを駆け回る。
いた、小さい身体にくせっ毛の髪。
ab「佐久間!!」
正直、この後何を言うかなんて思いついてない。
俺にしては珍しくノープランだ。
ふっかを残して家を出てしまったし、目の前にいる佐久間は俺を振り返って視界に入れた。
もう逃げられない。
ab「佐久間…はさ、なんで…あの時俺を、」
sk「あべ、ちゃ…」
ズカズカと佐久間の元まで歩み寄って、なんでと聞けば、目を逸らされて何も言わなくなった。
ab「なんで俺の事…その、だい…たの?」
逸らされていた目をもう一度見ると、今度はぎゅっと閉じられていた。
それに、いつもなら沢山買い物をしたであろう袋を持っているはずなのに、空っぽの手が俺の胸板を弱々しく押している。
ab「佐久間、答えて」
sk「……許すため、だから。酷いことしなきゃ」
口を尖らせてそう言われると、俺は心做しか可愛いと思ってしまう。
終わらせられるはずのない恋に、初恋に心身共に捩らせ拗らせていた俺は、捻くれる事もなく素直に出てきた言葉を意図も容易く吐き出した。
sk「え?」
もちろん佐久間はキョトンとした顔だ。
そんなことを言われるなんて思っていなかったんだろう。
ab「佐久間、俺…許して貰えた?」
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花(プロフ) - 主さん» ありがとうございます^^*次はいわふかです、是非ご愛読頂けると嬉しいです! (2020年8月24日 7時) (レス) id: 3efdfc6162 (このIDを非表示/違反報告)
主(プロフ) - さくあべ完結おめでとうございます!!ゆり組もいわふかも楽しみにしています(*'▽')更新楽しみにしております、頑張ってください!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: fe76b4d331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2020年8月5日 6時