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すると、松本さんが手を挙げた。
紫「俺はＮｏ．1から話を聞きたいかな」
赤「松潤…」
紫「あ、違うね。康二君だっけ？」
すると、突然振られた康二は少しあたふたとしながら俺？と自分で指を指した。
頷く松本さんに、困惑した顔でキョロキョロと助けを求める。
sk「俺も聞きたい！」
kj「さっくん…分かった。いつの話しよっかな」
康二はゆっくりとした口調で話し始めた。
kj「俺はこの時代になってから、子供になった阿部ちゃんと照君に会った……」
その後、この付近にいればまた出くわすことになると思い、出来る限り離れようと行けるところまで歩き続けたという。
kj「お金なんか無いからもちろんご飯食べられへんし、ホームレスさんって言うんやっけ？それと似たような生活おくっててん」
聞けば聞くほど俺達も辛くなる。
俺がもっと早くに思い出していれば、彼がそんな思いをすることは無かったのだろうか。
その後、たまたま歩いていたところで室さんに出会ったのだという。
kj「龍太君は俺の事を無理矢理家に引っ張って、お風呂に入れてくれたり、髪を切ってくれたり。挙句ご飯食べさせてくれて、寝る場所もくれた。ほんまに、めっちゃ嬉しかった」
室さんの仕事は代表取締役。
この付近で仕事をしなくちゃいけないからって事でまた戻ってきたらしい。
んで、あのマンションに住むことになった、と。
kj「俺は龍太君に今までの事を全部話した。したら、また居場所でも何でも無くなったらここ来いって言ってくれて。それからはそこで暮らしてたんやけど、突然ふっかさん達が来てん」
ここまでが俺がこの時代になってから過ごしてきた日々の話やで、ざっくりやけどって笑う康二に、俺達は涙を堪えられなかった。
佐久間とラウールは辛かったねと泣き叫びながら康二に抱きついて、勢いのまま床に転がる。
緑「…ところでさ、皆の能力はどうなったの？」
fk「え？」
赤「おい雅紀、タイミング」
緑「だって、俺たち5人は博士が消えてから使えないじゃん？」
確かに俺にとってもそれは疑問の1つだった。
皆は前世を自分の中から消したはず、そうなれば勿論能力は使えない。
iw「あの時やらなかったのはラウールと阿部、康二と…ふっか？」
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作者名：花
| 作成日時：2020年6月1日 16時
