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ab「それは褒められていますか」
「もちろんだとも」
ab「…そうですか」
Ｎｏ．2としての阿部ちゃんを一言で表すと、味気がないという言葉がピッタリだ。
あの頃はこんな感じだったのかと思うと、やっぱり彼は生まれ変わって正解だったと言えるだろう。
「それじゃあ…そろそろ実験を立証へと向かわせようか」
iw「おい康二、今すぐに戻ってこい。そっちに居たら、お前はまた後悔して苦しむことになる」
照のその言葉に、康二は拳をギリギリと握り締めて叫んだ。
kj「行きたいねん！行きたい…でも、俺はこの人には逆らわれへんの」
「ふはははは！そうだね、よく言えました。こいつには昔からそういう教育をしてたからね。死なないと分かれば上手く使う、ただそれだけだよ」
dt「貴方にとって康二は息子なんじゃないの？」
「ああ、息子さ。能力以外取り柄の無い、ね」
nb「もう無理。涼太…止めんなよ」
飛び出そうとする翔太を今度は佐久間が止める。
舘さんも明らかに怒りを顕にしてるし、目黒なんて殴る体制をとっていた。
逆に誰もまだ飛びついていないことが奇跡なくらい、全員の感情が怒りに溢れる。
「せっかくここまで来たんだ。君たちにも私の最高傑作を見せてあげよう。2つとも来なさい」
その言葉に戸惑う余地もなく、2人は博士の元に近づく。
康二、阿部ちゃん。
そう呼ぶ皆の声に、何かに遮られているんじゃないかと思うほど2人は無反応だった。
走れば2人の元に行けないこともない。
ただ、奴が何を仕掛けてくるか分からない以上、不審な動きをとって2人に何かあったらそれはそれで怖くて、皆動けないでいた。
康二はゆっくりと、一歩一歩。
阿部ちゃんは規則正しいテンポで博士の元に行き、仁王立ちする。
fk「どうする」
赤「大丈夫。もし何かあった時は、俺の無効の力で押さえつける」
ru「でもそんな事したら…」
赤「大丈夫。ある程度経ってから解除さえすれば命に害はない」
櫻井先生のその言葉を前に、博士はニタリと不気味な笑顔を浮かべて何か棒状の物を手に取った。
かと思えば、それを阿部ちゃんの首に当てる。
否、よく見れば微かに分かるそれは、まるで注射器のようだった。
つまりだ、阿部ちゃんの首に注射器が刺さっていると言う事になる。
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作者名：花
| 作成日時：2020年6月1日 16時
