Escape World 3 (ページ11)

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赤「してるよ。何故か効いてないだけ。…まあ、君1人立っていようがいまいが俺達には関係ないし。つまりは君は能力者ではないってことでしょ？脅威になり得ない」

また、またか。

また俺だけ残んのかよ。

……今俺、またって言った？

またって、なんだよ。

なんだ、この違和感は。

そう思った瞬間、目の前が歪んで周りが真っ暗闇になった。

でもすぐに橙色の光がその暗闇に光を差した。

何事かとそちらに目をやると、誰かが立っている。

誰だ？

目を凝らしてよくよく見ると、それはＮｏ．1だった。

ただし、彼は周りを焼け野原にした状態でそこに立ちすくむ。

俺は地面と自分の顔が接地している事に気づいて、今自分が地面に倒れている状態なんだと気づかされた。

そうだ、この夢は前にも見たはずだ。

確か、真っ黒な水溜まり…そう思って地面をよく見ると、それは漆黒ではなく、赤黒かった。

これは水溜まりなんて可愛いもんじゃない。

血溜まりだ。

『っ…ぅ、う』

声？

……Ｎｏ．1の声か。

『ぅぁあああ"あぁあああ！！！！！！』

その声はまさに悲痛の叫びで、この世の絶望を全ては詰め込んだような声だった。

ごめん。

助けられなかった。

助けたかったのに、苦しめたくなかったのに。

『ごめんなさい…ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい。

俺が皆を殺した…俺が、皆を壊した……こんな能力いらん、いらんよ…なんで、俺…こんな事に……』

その声と共に、足音は離れていった。

Ｎｏ．1がこちらに踵を向けている事くらいは分かってる。

この後、能力者を片っ端から殺したわけか。

夢のような感覚があるのに、身体中が痛いし…意識が途切れそうだ。

意識が朦朧としているからか、俺はＮｏ．1の姿を目で捉えるので必死になっていた。

…突然、体が軽くなった。

意識が少しづつハッキリしてきて、痛みも段々と消えていく。

何が起こっているんだと自分の手を見ると、紫の光がキラキラとまるでオーラのように出ていて、少しづつ俺の身体の傷を治していた。

俺の能力は毒…そうか、毒の能力を活性化させる事で、崩壊した自分の体を逆に治療したんだ。