〇〇×紫耀

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海人side

気にしないでと言う平野くんの目は、"もう僕に関わるな" そう訴えているように見えた。




だから、俺は謝ることしか出来なかった。




それから1週間ほど、平野くんとは会話を一切しなかった。




彼もこちらを気にしているのか、たまに目が合う。




でも、すぐにそらされ、うつむく。




そんな日が続いていた。




俺は、心のモヤモヤを解消するために、またあの桜並木に向かった。




あの時よりは、花は少ないけど、まだ綺麗だ。




木の下に座り、物思いにふけっていると、あの人が立っていた。




転校してきた日に見かけた、まだ名前も知らない、あの人が。




"次会えたら声をかけよう"、そう決めたんだから、話しかけてみよう。




ゆっくり近付き、声をかけた。




海「あの〜」




そう声をかけると、その人はこちらを振り返った。




俺はその瞬間息を飲んだ。




あまりにも綺麗だ。




思わず伸ばしそうになった手を、急いで引っ込めた。




その人は、俺を見るととても驚いたような顔をした。




？「えっ…」




海「どうかされました？」




？「あっ！いや、なんでもないです。」




海「あの、前もここにいましたか？」




？「ほぼ毎日いますよ。ここにいる時は、嫌なことも全部忘れられるんです。僕にとって大切な場所なんです…」




そう言う彼は、儚く、今にも消えてしまいそうだった。




海「そうなんですね。俺も今日は心のモヤモヤを解消しようと思ってここに来たんです。」




？「ここに来れば、心が落ち着いて安らぎますよね。」




海「また来ても良いですか？」




？「も、もちろんっ！楽しみにしてます！」

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