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「おめでとうございます！
妊娠3ヶ月です。」
内診でモニターに映る、ほんの小さな輪。
その輪の中には米粒のような、
更に小さな形が見える。
「これが胎嚢で、これが、赤ちゃんです。」
モニターを指差しながら先生は丁寧に
説明をしてくれた。
「心臓もしっかり動いてますね。
聴こえますか？」
そう言われて、耳に神経を集中させる。
トクトクトクトク…、と
あんな小さな体で一生懸命に動いてる
心臓の音がしっかり聴き取れた。
まだ赤ちゃんらしい姿ではないけれど、
確かに私のお腹の中には小さな命が
必死に生きようとしていて。
これから私のお腹の中で成長していくんだって
想像したらとても愛おしくて。
一刻も早く紫耀ちゃんに報告したかった。
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紫「大事な話ってなに？」
夜遅い時間まで仕事をこなし、
帰宅してきた彼は、
昼間に私が送ったLINEの内容が気になるらしく
ソファに座って話を促す。
あ「あのね、実は…」
紫「ん。」
真っ直ぐ紫耀ちゃんの目を見つめる私を
彼も真剣に聞く。
あ「家族が、一人増えるの。」
紫「ん。…て、は？」
私の話に目を丸くして固まる彼。
あれ？
もしかして言葉の意味を分かってない？
今度は彼の手を掴み、
私のお腹に手を当てさせる。
あ「紫耀ちゃんパパになるんだよ。」
さすがにいくら天然の彼でも理解できるはず。
手を当てられたお腹をジッと見つめた後、
私とお腹を交互に見てから
紫「まじで…？」
先ほどと変わらない表情で
ようやく口を開いた。
あ「うん。今日病院行って
確認してきたの。」
もっと喜んでくれるのかと思ってたのに
意外にも彼の反応は薄くて。
あまり嬉しくないのかな…？
なんて少し不安になってたら、
突然ぎゅっと抱き締められ、
紫「ありがと…！」
あ「え？」
紫「俺、全力でサポートするから！
掃除、洗濯、料理と皿洗い何でもする！！
だからAは無理しないで安静にしてて！」
あ「うん…？う、うん」
これは…喜んでくれてるのかな…？
紫「家族3人、今以上に幸せになろうな。」
あ「うん…！」
新しい家族が増えるこの先の未来。
紫耀ちゃんのおかげで
どんどん色鮮やかになっていく＿＿
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作者名：rion
| 作成日時：2019年3月27日 16時
