愛のかたまり101 ページ4
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あ「嫌いになってないよ。
冷めてもない。」
寧ろこうやって聞いてくる彼が
愛しいと思ってしまう。
肩の力を抜いて、背中を彼の胸に預けた。
紫「じゃあ、好きって言って」
わざと耳元に唇を付けて、促す。
彼の甘く、心地良いハスキーボイスが
全身に響いてるような気がした。
鼓動をひどく波打たせながら、
あ「好きだよ、紫耀ちゃん。」
いつもは詰まる言葉も
今日は素直に口する。
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…言わなくちゃ。
この前あったことを話そうと
あ「ねぇ紫耀ちゃん、」
話を切り出そうとしたのに、
あ「んっ」
顎を掴んで、自分の方に向けられ、
甘い口付けを交わされる。
紫「ん?」
絡まる視線の中で、
とても優しい声で返事はするものの、
服の中に忍び寄る、彼の手。
…彼の空気に呑まれたら
話なんて出来っこないじゃない。
あ「ううん。なんでもない。」
もう一度降りかかる、彼の柔らかい唇。
すごく久しぶりに感じた。
いや、実際久しぶりなんだけど。
久しぶりすぎて付き合い始めの頃のような、
なんだか少し照れくさくなって恥ずかしかった。
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彼は身体を重ね合わせてる間、
___好きって言って
私に終始促した。
彼に要求されるがまま、
その都度答えた。
きっと、不安で仕方ないんだな
その表れなんだな
そう感じた。
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彼に腕枕され、お互いに向かい合う。
あ「紫耀ちゃん、」
疲れてウトウトしてる彼の表情を見つめ、
名前を呼ぶ。
紫「んぅー?」
若干寝ぼけ気味に返事をする彼に、
あ「この前、フリー記者の人に
紫耀ちゃんとの関係聞かれた。」
躊躇いもなく、
前振りもなく、
唐突に話を切り出した。
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作者名:rion | 作成日時:2019年3月27日 16時