愛のかたまり126 ページ29
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ピロン、と手元にある携帯に
LINEが届いた音が鳴る。
tatsuya kurihara久しぶりの平野くんとの再会楽しんで。
…完全にやられた。
もしかして最初から私を紫耀ちゃんと
会わす予定だったな？
タツヤからのLINEでようやくこの状況を
把握することが出来た。
でもどうしてわざわざ私を紫耀ちゃんと
会わそうとなんか…。
確かにいつかは笑顔でまた会いたいとは
思っていたけれど、それが今なのは違う。
まだ心の準備が出来てない。
まだ、気持ちの整理すらも出来てない。
一人淡々と喋る彼は、
もう、とっくに気持ちの整理が
ついてるんだろうか。
.
運ばれてくる料理を食しながら
私がいない5年間の日本のことを
話してくれる。
それを私は笑顔浮かべて相槌打つだけ。
未だ見慣れない成長した彼の姿
気持ちの整理もついてない
上手く笑えない。
自分でも分かる。
ただ口角上げて愛想笑いしてる。
どういう顔して彼を見ればいいのか
どういう気持ちで彼と話せばいいのか
上手く反応が出来ない。
.
もう私の知らない彼だと思っていたのは
外見だけで。
紫「A？」
私を呼ぶ声や
紫「もしかして料理が口に合わない？」
私に優しく問いかける所も
紫「別の料理頼む？」
気にかけてくれる所も
昔から変わってない。
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作者名：rion
| 作成日時：2019年3月27日 16時
