愛のかたまり115 ページ18
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ガサガサという物音で脳が覚める。
目を開けなくても何の音なのかは
すぐに分かった。
もう、サヨナラの時間なんだ。
目は瞑ったまま、
音で彼が今何してのか想像する。
開けなかった。
…ううん。
開くことが出来なかった。
彼が去ってしまう姿を見たくなかったから。
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ガチャン、
虚しく響き渡る玄関が閉まる音。
あ「…っ、」
気付けば涙で枕はびしょ濡れだった。
彼がいなくなった瞬間、
堪えていた涙が痰を切ったように溢れた。
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…ズルい。
ズルいよ紫耀ちゃん。
___"愛してる"
寝たフリの私にキスを残して
その優しさに溢れそうになった涙を
必死に堪えてる私に、
彼はその一言呟いた。
まだ彼の匂いが残るこのベッドで
彼の言葉を思い返す。
そんなの余計止まるはずないじゃない。
最後まで優しかった彼。
あ「ふぅ…っ、」
こんな愛し方しか出来なくて
本当にごめんなさい、
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彼の未来を壊してしまいそうで
怖かったんだ。
私と過ごす日々の中で。
本当はサヨナラなんてしたくなかったよ
ずっと一緒にいたかった
でも、これ以上彼の邪魔は出来ないから。
もうこの恋にサヨナラしなきゃいけないの、
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作者名:rion | 作成日時:2019年3月27日 16時