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閑静な高級住宅街の高層マンションの一室。
久しぶりに訪れた彼の部屋は相も変わらず
お洒落で高そうな家具が置いてあって。
まるでホテルの一室のような部屋に
今日はお泊まりすることになった。
あ「あっ。
この写真、私の誕生日の時に撮った時のだ」
リビング入って早々、
真っ先にガラス棚の中にある写真立てが
視界に入った。
サプライズケーキと共にお祝いしてくれた後、
記念として撮った写真。
この頃の私も紫耀ちゃんも若い。
懐かしいなぁ。
あ「ずっと飾ってるの?」
紫「当たり前でしょ」
なんだか嬉しい。
それに比べて私は、
別れた後すぐにダンボールの奥底に
仕舞っちゃってたけど。
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辺りを軽く見渡してからソファに座り、
紫耀ちゃんが淹れてくれた珈琲に口付ける。
あ「ねぇ、正直に言ってね?」
紫「ん?うん。」
あ「私と別れた後…その…
新しい出逢いとかあった?」
紫「あー…」
率直な質問に視線を上に向け、
考え込む彼をジッと見つめる。
紫「うん。まぁあった。」
…やっぱそうだよね。
他の女性が放っておくはずないか。
あ「…じゃあ…男女の関係も…?」
聞いてショック受けるのは自分なのは
分かってるけど、そういうことはどうしても
気になってしまうわけで。
紫「…どうだろ?」
けれど、彼から出た返答は濁され、
最後にはクスッと笑われて終わった。
反応からするとこれはある…?
はぁ。そうだよね…。
想像が膨らんで先へ進み、
あからさまに項垂れる。
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隣からクスクスと笑い声が漏れる音がした。
なに?と思い、横目で隣を見ると
紫「ごめん。
Aの反応があまりに面白くて
意地悪しちゃった。」
私の顔見てイタズラっ子な表情をしてる彼。
紫「ぶっちゃけ出逢いは
なくはなかったと思うけど、
Aにしか興味ないからよく分かんない」
あ「…」
相も変わらず嬉しい台詞をサラッと
言ってのけちゃう紫耀ちゃんに、
私が急に気恥ずかしくなってしまう。
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紫「愛してるよ。」
5年振りに受ける彼の愛情は、
ちょっぴりスパイシーが効いてて
けれど時折甘さももちろんあって
久しぶりの彼の愛情はとても濃厚だった。
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作者名:rion | 作成日時:2019年3月27日 16時