愛のかたまり118 ページ21
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タツヤ「無理に元気でいようとすんなよ。」
あ「別に無理になんて…」
口では言っても否定しようとも
実際はタツヤの言う通りだ。
私の強がり。
本当は、今でも辛くて
本当にこの選択が正しかったのか
沢山考えて。
でももう後には戻れないから
強がるしかない。
自分の気持ちを奥底に閉まって
無理矢理蓋をして
無理にでも笑ってないと
彼のいない日常が、
私の心が、
堪えられなくなるから。
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「少し歩こう」
途中でタクシーから降りて
私のマンションまで肩並べて歩く。
閑静な住宅街にコツコツ、と
私のヒールの音だけが響き渡る中で、
タツヤ「俺、高校ん時Aのことが
好きだったんだ。」
タツヤは突拍子もないことを口にした。
タツヤ「でも自分の気持ち伝えることが
出来ないまま卒業して、久しぶりに再会した時、
やっぱりまだ好きだって再確認したけど
Aには彼氏がいてさ」
タツヤ「幸せな顔してるAを見て
邪魔しちゃいけないなって思った。
好きな奴の幸せ願おうって決めて、
諦めようとした。」
タツヤの想いを聞いて、
どう反応すればいいのか分からなくて
何も言わず静かに話を聞いていたけど、
タツヤ「でもやっぱ無理だ。」
突然立ち止まり、私の方を向くタツヤに
私も足を止めて真っ直ぐ見つめる。
タツヤ「好きな奴の辛そうにしてる顔なんか
見たくない。」
その先の言葉が、
なんとなく、予想ついてしまった。
タツヤ「俺じゃ、ダメ?」
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作者名:rion | 作成日時:2019年3月27日 16時