愛のかたまり49 ページ48
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あ「え、」
思いがけない発言に、
歩いてた足がピタリと止まった。
数歩歩いてから、
後ろで立ち止まってる私の方へ振り返り、
タツヤ「冗談だよ。驚きすぎ。」
イタズラっぽく笑う栗原くんの反応を見て
ははっ、と私も口角を上げた。
あ「もっ、もう!驚かさないでよっ。
びっくりしたー」
タツヤ「あははっ。今の柳瀬の間抜けな顔写真に
納めたかったわー」
あ「ひどーい!そんな酷い顔してた?」
タツヤ「してたしてた。こーんな顔。」
一瞬、ドキッとした。
だって、私の名前を出した時の栗原くんの表情は
冗談っぽく感じなかったから。
でもその後、安堵したのも事実で。
冗談にしては妙にリアル感あったから
やっぱり監督の仕事やってるだけあって
上手いのかな。
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タツヤ「柳瀬はさ、彼氏のどこが好きなの?」
あ「そうだねー…一つだけ挙げるとしたら
私をとことん愛してくれるとこかな。」
いつもなら照れくさくて濁すところも
お酒が入ってるからか、
素直に彼の好きな部分を答えていた。
タツヤ「そうか。小谷さんも言うほどだから
相当尽くされてんだ。」
去り際、その言葉に照れくさく頷くと、
私の目を見つめながら
タツヤ「幸せになれよ。
こんな俺でよければ全然話くらいは
聞くからなんかあったら連絡して。」
ポン、と優しく頭を撫でられた。
あ「うん。ありがとう。」
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作者名:rion | 作成日時:2018年12月6日 15時