年下の彼に愛されすぎて困ってます。【1】 (ページ30)

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愛のかたまり30 ページ30

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声のした方へ振り返る。

あ「え、栗原くん！」

なんでここに…？

タツヤ「俺、この映画の監督なんだよ。」

あ「そうだったの？」

思ってたことが顔に出てたのか、

問いかける前に答えてくれた。

やっぱり恋愛系映画の撮影って

このことだったんだ。

タツヤ「柳瀬はキャストのヘアメイクでここに？」

あ「うん。」

タツヤ「そうなんだ。

これから1ヶ月半、よろしくな。」

あ「こちらこそよろしくね、栗原く…」

…いや。

栗原くんって呼ぶのはおかしいか。

あ「…栗原監督。」

一応ここの現場で一番偉い人だもんね。

ふと考えて言い直した。

タツヤ「ははっ。じゃ、また。」

それだけ言うと、

すぐにスタッフさん達の中へ戻り、

演出の確認を始めた。

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栗原くんの仕事風景を遠目で見ていると

誰かの視線を感じる。

辺りをキョロキョロと見渡すと

紫耀ちゃんと目が合って。

だけど、フイッとすぐに逸らされた。

機嫌直ったかなって思ってたのに

まだご機嫌ナナメなの？

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早朝からスタートした撮影初日は夕方で終了して、

次の現場に行かなければならない私は、

道具を片付けて専用カバンに仕舞う。

小「今日はありがとうございました！」

あ「いーえ。また明日もよろしくね。」

小谷と挨拶交わして、

最後に紫耀ちゃんと顔合わせないまま、

迎車を頼んだタクシーに乗り込み、

次の現場へ向かった。

移動中、突然鳴り出す電話のベル。

画面には"紫耀ちゃん"と表示されてて、

すぐに通話をタップした。

あ「もしもし。お疲れ様。」

紫『お疲れ様。今日何時に帰ってくる？」

あ「今日はねー…多分日付またぐ前には

帰れると思う。」

紫『じゃあAん家で待ってていい？』

珍しい。

明日は今日よりも早く現場入りなのに。

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