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愛のかたまり28 ページ28

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「そしたら小谷さんにそういう時は

柳瀬さんに聞くといいって言われたんすよね。」



あ「えぇ?なんで私?」





思わずクスッと笑いが吹き零れた。







小「柳瀬さんはね、年下の彼氏さんに

すっごい愛されてて万年幸せ絶頂期なんですよっ」



あ「ちょっ、小谷…!」





その例の年下の彼氏が


目の前にいるんですけど!?





小「まぁ愛されすぎてたまにめんどくさいとこ

あるらしいんですけどね。」



紫「ブッ…!」





よくもまぁベラベラと


人の恋愛事情を話すじゃない…。



一番聞かれたくなかった相手を前に、


何も知らない小谷が話したせいで


彼の口から飲み物が吹き出た。







小「あー!大丈夫ですか!平野さんっ。

タオルタオル!」





急いで自分のハンドタオルを取り出し、


彼に渡してあげる。





小「平野さん大丈夫ですか?」





いやいや。誰のせい!?


あなたのせいですけど…!?





紫「大丈夫です。

変なとこに飲み物入っちゃって

むせちゃっただけなんで。」







そう言った後に鏡越しに私の方へ視線を移し、





紫「へぇ。

柳瀬さん、彼氏さんにそんなに愛されてるのに

めんどくさいって思っちゃうんですか?」





浮かべた笑顔はそのまま。





あ「めっ…めんどくさいっていうか…

そっ、そんなことは…」





…やばい。


笑顔が怖い。


目が笑ってないよ、紫耀ちゃん。



ていうか、笑顔の後ろを取り巻く黒いオーラが


とてつもなく凄まじい。







早くスタイリングを終わらそうと


彼からあえて視線を逸らし、


作業のスピードを上げた。







もうっ!!小谷が余計なこと言うからっ!!







.







って言っても実際何も知らない小谷は悪くない。





絶対ご立腹だよ。


帰った後が怖いんですけど。







あ「ヘアセットオッケイですっ!」



紫「…ありがとうございます。」





やっとスタイリングが終わり、


首元にかけてたタオルを取る。



お礼を言ってメイク室を出た彼はパッと見、


なんら変わりない。





そこはさすがプロだ。



けれど、私だけは分かってる。


黒いオーラが…ね?まだ隠せてないもん。









.

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作者名:rion | 作成日時:2018年12月6日 15時

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